「ジムニー」は本当に人気? 盛り上がるカスタム市場で売上が伸び悩む理由

オフロード系SUVに注目が集まる一方で冷静な意見も

 オートサロンの常連でもあるSUV系パーツメーカーの関係者は、世の中の空気感は明らかに変わってきていると話します。

「SUVカスタムの市場の空気感は、まちがいなくヘビーデューティな香りをクルマ生活に取り入れたいという方向に向かっています。

 ただユーザーは本物感を求めていても、本物を求めているわけではなく、あくまでも“香り”です。新しく市場に入ってきたお客さまはより手軽な商品を求めており、カタチの良さだけでは受け入れてもらえない気がします。販売店で簡単に取り付けられるとか、そのままで車検に通るとかといった手軽さが重要です」

 乗用車系カスタムブランドの多くも、オフロード系SUVのカスタムに新規参入したことで会場は大いに盛り上がりました。

パトカー仕様ともいえるカスタムが施された「ジムニー」
パトカー仕様ともいえるカスタムが施された「ジムニー」

 しかし、一方でオフロード系SUVのカスタムについて冷静な意見もあります。某パーツメーカーの代表は次のように語ります。

「オフロード系SUVカスタムの反響は相当なものですが、オートサロンに来るお客はオフロード系SUVを目的にして来る人は少ない気がします。

 普段あまり見たことがないクルマだから、新鮮味があってウケている感じです。実際、展示しても、ビジネスと反響の大きさとは比例していません。

 もちろんオートサロンというイベントの主旨が、別なカテゴリーにあるということも要因にあると思います。いずれにせよ、実際にライフスタイルの一環としてSUVに乗っている人が、どこまでカスタムに注目しているのかは未知数です」

 今回オートサロンで、注目を集めたオフロード系SUV。取材の過程で聞いた話では、今後のオートサロンでは、SUV系カスタムカーをひとつの会場に集めて、展示を差別化するという計画も出されているといいます。

 近い将来に市場は縮小するのではないか、という見方もあるSUVカテゴリーにおいて、カスタム業界がかつての四駆ブームのような盛り上がりを見せることができるのか、今後の展開に注目です。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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