「この程度なら…」小さな事故でも警察は呼ぶべき? 示談での解決がダメな理由とは
「当て逃げ」も立派な犯罪に! 逃げられた場合はどうすれば?
次に、物損事故の場合です。事故により車両やガードレールなどが破損したものの、ケガ人は出ていないという場合、物損事故とされます。
擦り傷程度の小さな破損の場合、保険を使って保険料が高くなるよりは、実費で修理する方が安くなることもあるため、示談に持ち込むケースも少なくありません。
クルマ同士の接触事故の示談では、法律違反とわかっていてもお互いが納得した内容であれば、当事者の判断に委ねられるケースも多いとのことです。
しかし、ガードレールや建物に接触した場合、警察に連絡しなければ「当て逃げ」として目撃者から通報されることもあります。
物損事故自体には刑事処分も行政処分もないため違反点数の加点もないのですが、当て逃げと判断された場合は刑事責任を問われるため「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」に処される可能性があります。ケガ人がいないからといって、示談で済ますことは絶対に避けましょう。
また、前出の医療関係者は次のように話します。
「交通事故は、直接的な外傷だけでなく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的なキズを負う可能性もあります。その場合は医療費だけでなく、精神疾患によって仕事をすることができなり、生活ができなくなるリスクも考えられます。
事故は『正式な手続き』を踏んだうえで、しっかりと医師ケアを受けましょう」
軽い事故だからといって示談などで済ませれば、刑事罰の適用や精神疾患など、想像を超えるトラブルが起こり得ます。事故後は「素早く」だけでなく「正しい」行動を取るようにしましょう。
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自転車は、道路交通法上では軽車両の部類に入るため「車両等」に含まれます。そのため、クルマ同様に報告義務があり、警察が到着するまでその場から離れてはいけません。
地域によっては保険の義務化が条例で定められていたり、自転車安全整備店で1年ごとに「TSマーク付帯保険」に加入している人も多いようなので、事故に遭った場合には交通事故証明書の発行は重要となってきます。
安い自転車だから買い替えればいいやと安易に考えてその場を立ち去ると、報告義務違反となりますので注意しましょう。
また、自転車の小さな事故の場合に多いのが「当て逃げ」です。しかし、逃げた場合は刑事処罰が課せられるため、絶対にやめましょう。
自転車であっても、人にけがをさせた場合は「ひき逃げ」となり、物を破損させた場合は「当て逃げ」となります。
なお、事故に遭って加害車両が逃げてしまった場合、追いかけるのはNGです。悪質な加害者だった場合には返り討ちにあったり、交通ルールを無視して逃亡し二次被害が出る可能性も出てきます。
通報するのが遅くなるほど犯人を見つける可能性が低くなるとされているため、泣き寝入りになってしまう可能性もあります。
加害者に逃げられてしまった場合は、警察へ逃亡車両の情報提供と保険会社への連絡をしましょう。事故発生後に連絡するのが早ければ早いほど、犯人の足取りが掴みやすくなります。
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