フルラッピングはスーパーカーでは常識!? 高額なクルマほど元色が大事な理由とは

リセールバリューを維持するためのラッピング

 ヴィンテージカーの世界では、外板色が元色であることに価値が置かれています。それは事故歴や修復歴がないことの証明でもありますが、その車両のヒストリーを大切にするからです。
 
 フェラーリやランボルギーニのクラシック部門では、きちんと本社でレストアを施した車両に認定書のお墨付きがつきますが、当然、工場出荷当時の元色であることが前提となります。

メタルカラーはフルラッピングの定番メニュー
メタルカラーはフルラッピングの定番メニュー

 現在新車のスーパーカーも、20年、30年先には、こうしたクラシック部門でお墨付き受けることで、さらに資産価値があがるのです。
 
 このような理由から、元色の塗膜を守るためにフルラッピングする人が増えました。フルラッピングは飛び石などからの傷の予防だけでなく、紫外線による褪色を防ぐ効果があるからです。
 
 さらに新車購入時に、リセールの際に有利な人気色を選んでおいて、フルラッピングで自分の好きなカラーにするオーナーが増えました。
 
 スーパーカーメーカーには、自分だけのカスタムを行える特別な部門・サービスが必ずありますが、世界でたった1台だけという個性的なカラーは、リセールの際に不利になります。
 
 フェラーリだと、赤(ロッソコルサ)や最近だと白(ビアンコ)などがリセールの際に有利です。新車購入時に、こうした無難なボディ色を選んでおいて、自分の個性を主張できるカラーのフルラッピングを施すのです。
 
 本来の塗膜を守りつつ、しかも好きなボディ色でスーパーカーに乗ることができるというわけです。
 
 ちなみに、フルラッピングすると車両とカラーによっては100万円近くすることもありますが、スーパーカーの本格的な全塗装はその何倍もする上に、元色ではなくなり価値そのものが下がることが想定されます。
 
 スーパーカーオーナーにとっては、フルラッピングは気軽に好きな色にチェンジでき、しかも元色の塗膜を保護でき、リセールにも有利なのです。

※ ※ ※

 フルラッピングが流行っている理由には、フィルムの進化とラッピング技術の向上という面もあります。
 
 スーパーカーは複雑なボディラインや面構成で成り立っています。そうしたボディに対応できるフィルムと、それを塗装のように美しくラッピングできる職人の技術があってこそ、フルラッピングが普及したことは紛れもない事実です。
 
 現在では、こうしたフルラッピングだけでなく、ボディにアクセントとしてラインを入れたりするラッピングも流行っています。
 
 新車のオーダー時に、こうしたラインを入れるパーソナライゼーションも追加できますが、センターラインなどの塗装だけでも100万円以上もするオプションだったりします。
 
 このような部分的なラッピングだと、気軽に安価に個性を主張できるカスタムであることから、人気が高まりつつあります。

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Writer: くるまのニュース編集部

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