除雪車の追い越しは絶対ダメ! ノロノロ運転でも付き合わないといけないワケとは
除雪車との事故を防ぐ最新技術とは
雪氷作業車を無理に追い越そうとしてスリップし、中央分離帯やガードレール、雪氷作業車へ衝突する事故も起こりがちです。冬は夏に比べて、路面状況に起因したハンドル・ブレーキ操作のミスによる事故が、約4.9倍に増加するというデータもあります。
夏なら避けられる、もしくは軽微な事故でも、雪道では重大な事故につながる危険が大きくなるのです。
このような雪氷作業車に絡んだ事故を減らしてくれる画期的な最新技術が、2019年10月のハイウェイテクノフェアにて公開されました。
NEXCO東日本エンジニアリング東北という会社が開発した「雪氷作業用衝突防止セーフティライン」がその装置で、路面上にLEDのグリーンラインを照射、標示できるシステムです。
ベースとなっているのは同じ会社が開発した「帯状ガイドライト」(高速道路本線の路肩に設置されたガイドライトから、左側外側線を明示する装置)で、こちらの「路面照射装置」をベースにしています。
セーフティラインは雪氷作業車の後方路面上に緑色のラインを照射し、一般車が作業車へ衝突することを防止する効果があります。
遠くから見てもわかりやすい緑色LEDのライトを採用することで、一般車のドライバーが接近する際、この「ライン」を目印に、接近から一定車間を確保して追従走行することが可能となります。
セーフティラインが照射されていると、吹雪などの悪天候でも「これ以上近づいてはいけないライン」が確認しやすいので、作業車両そのものが見つけにくい場合でも、緑色のラインで注意喚起ができそうです。
「眩しさ」に関しても路面照射装置の発光部は、最近のクルマについているLED尾灯と同じ程度の輝度であるため、除雪車に追従走行するクルマのドライバーが直視しても問題が無いと確認できています。
現在は公道での最後の仕上げとして、防水や振動をテーマにテスト走行を重ねているとのこと。
NEXCO東日本は、「路面照射装置を作業中に点灯させることで、追従走行する一般車の追越しがなくなり、除雪や凍結防止剤の散布作業の安全性が向上し、作業従事者からも好評です」とコメントしています。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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