【ナメちゃダメ】車のガラスの飛び石、自分で修復できる大きさはどれくらい?

高速道路などを走行中、フロントガラスに飛び石が当たり、傷がつくことがあります。サイズ的には1cmに満たなくても、放置していると徐々に大きくなり、車検に通らなかったり交換する必要となることもあります。そこで、どの程度の傷なら修復可能なのか、そして交換するとどれくらいかかるのか、整備士に聞いてみました。

放置するとマズいことになるのは、横に伸びるヒビ?

 クルマで走行していると、フロントガラスに飛び石が当たることがときどきあります。その場合、降車後に見てみると小さな傷になっていることも少なくありません。

 この飛び石によるフロントガラスの小さい傷は、放置していると大きなヒビになってしまうこともあるといいます。どのように対処するのがよいのでしょうか。

フロントガラスの飛び石、どれくらいの大きさまで補修できる?(写真はイメージ)
フロントガラスの飛び石、どれくらいの大きさまで補修できる?(写真はイメージ)

 フロントガラスにヒビが入っていると、走行の安全上(視界の確保)に問題があり、車検にも通りません。

 現在のフロントガラスは、2枚の合わせガラスの間に樹脂板を挟んだ構造になっており、たとえ破損しても飛び散ることもなく樹脂板が破片を留まらせる特性を持っています。

 しかし、飛び散らない構造ゆえヒビなどの傷部分が白く濁り、視界を遮って運転できなくなる恐れがあります。どの程度までの傷なら修復できるのでしょうか。

 関東運輸局長認定の特殊整備事業者「秀自動車」(栃木県宇都宮市)の高島整備士に話を聞くと、次のように説明します。

「500円玉サイズ以下なら補修できるという意見もありますが、実際はもっと小さくても修復できない傷もあります。とくに横方向にヒビが入った傷は、その後の走行による振動や外気温の温度差によってヒビが拡大していく可能性が高いといわれています。

 また、フロントガラスの端から10cm以内に傷などが入った場合も、修復は難しいといわれています。そのあたりの傷は交換しないといけないケースが多いです」

 フロントガラスの費用は、補修費用としては高額な部類に入ります。以前は軽自動車で5万円から7万円程度、普通車で10万円前後といわれていましたが、最近はより高額になるケースが増えていると、高島整備士はいいます。

「以前は純正品でなくても、質のいい社外品を用いることで費用を抑えることができました。しかし、最近のフロントガラス交換費用は高額になりつつあります。

 原因は、UVカット機能や断熱ガラスなど、素材の変化もありますが、なにより高額なのが各メーカーで導入が進んでいるレーダー機能搭載のカメラが付く部分です。

 どうしても純正品を使用するしかないうえに、カメラは交換しなくても再調整が必要で、トータルで数十万円になってしまうこともあります」(高島整備士)

 飛び石に備えるためには、車両保険に入っておくのがよいでしょう。飛来物によるフロントガラスの破損は保険対象内なので、交換費用が高額の場合は保険金が活用できます。

 ただし、車両保険を使って補償を受けてしまうと保険の等級が下がり、翌年の保険料が上がってしまうデメリットもあります。補修費用と保険料の増額分を考慮して、車両保険を使うべきか判断するべきといえるでしょう。

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