【なぜ放置? 全国にある殺人踏切】危険性高くても対策されない「第4種踏切」とは
佐賀県だけじゃない危険な「第4種踏切」とは?
鉄道の高架化や交差部を立体化するなどで数を減らしているものの、2019年9月に公表された「輸送の安全に関わる施設等に関する事項」では、2018年度末時点では全国に踏切は3万3098箇所あるとされています。
踏切というと、列車が通過することを知らせる警報が鳴り、黄色と黒に塗装された遮断棒が降りてくるタイプが一般的です。
じつは、踏切には種別があり、警報機と遮断機が終日運用されているものを第1種、踏切係がいるときだけ遮断機が運用されるものが第2種、警報機だけが運用されるものを第3種、そして警報機も遮断機もないものが第4種と分類されています。
この内第2種踏切は現在運用されていませんが、第3種と第4種は現在も運用されているのです。
前述の「輸送の安全に関わる施設等に関する事項」では、全体の90%にあたる2万9748カ所が第1種踏切に分類され、第3種踏切は698カ所で2%、第4種踏切が2652カ所で8%となり、第1種踏切以外の踏切を見る機会は少ないかもしれません。
2019年9月に公表された「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」では、2018年の踏切障害事故件数は226件となっています。この内、もっとも事故件数が多いのは第1種踏切の189件で、踏切事故全体の83.6%です。
一方で、第4種踏切での事故件数は34件で14.9%です。一見少ないように見えますが、踏切種別の比率の8%と一致していません。つまり、第4種踏切は第1種踏切に比べ、事故の確率が高いことになります。
このような第4種踏切で発生した事故について、 航空事故・鉄道事故・船舶事故または重大インシデントの原因究明調査などを行う国土交通省の外局のひとつ「運輸安全委員会」が危険性を指摘し、関係機関に対し踏切の早期廃止など対策の実施を求めた例があります。
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第4種踏切は、遮断器や警報機が設置されていないことから危険性が高いです。とくに鉄道が複線の場合は、手前の列車の通過直後に、奥側の列車が通過することも考えられます。
慣れない土地で第4種踏切に遭遇した場合は、必ず安全確認をおこないましょう。
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