トヨタに定額で乗れる「KINTO」って何? 車のサブスクサービスで得する人とは
トヨタが2019年7月から展開している愛車サブスクリプションサービス「KINTO(キント)」は、月々定額でクルマに乗れるサービスです。普通に購入するのとKINTOでは、どちらがお得なのでしょうか。
「KINTO」って何? お得にクルマに乗れる理由とは?
トヨタと株式会社KINTOが立ち上げた、愛車サブスクリプションサービス「KINTO(キント)」は、クルマの所有の新たな形として注目されています。
サブスクリプションとは、商品やサービスの購入にお金を払うのではなく、利用できる期間に対して定額の利用料を支払うことで、最近では音楽や動画配信、電子書籍など、さまざまな定額サービスが普及しています。
トヨタが展開するKINTOは、定額でクルマに乗れるサービスです。KINTOを利用すれば若年層ほどお得にクルマに乗れるというのですが、それはなぜなのでしょうか。
通常クルマを購入する場合、はじめに車両代や登録諸費用などがかかります。現金一括やローンを組むなどして購入したうえで、任意保険や自動車税などの税金、定期メンテナンスにかかる費用がさらに必要となります。
一方、KINTOを利用してクルマに乗る場合、車両代や登録諸費用、任意保険、自動車税、メンテナンスなどがパッケージ化され、月額定額で利用料を払うことになります(ガソリン代と駐車場代は含まれません)。
株式会社KINTOの代表取締役社長 小寺信也氏は、次のように説明します。
「若い人のクルマ離れが叫ばれているなかで、ユーザーの声や販売現場の声を聞いていると、保険料が高くて手が出ないというお客さまが多いことがわかりました。まずは保険料に関する課題をクリアしたいと考えたのが、KINTOのはじまりです。
故障や事故にしても、車両代以外に突発的なコストが発生するので、いわゆる維持費がかかるということがいわれてきましたが、そういったストレスを取り除きたいという意味で全部を“コミ”にしました」
初めてクルマを所有する人が任意保険を契約すると、等級が6等級からはじまるので、割引率が低いです。また、運転者年齢条件についても、若い人ほど運転に不慣れで事故のリスクが高まるため、保険料が高く設定されていることから、クルマを所有することが難しくなるといわれています。
そこでKINTOは、フリート(団体)保険でカバーすることで、保険料が高くなりがちな若い人にとってお得な料金設定としました。また、頭金やボーナス払いなどもないため、クルマを持つことへのハードルを下げることができます。
はじめてクルマを持つ22歳のユーザーが新型「ライズ X “S” 2WD」を購入するときの3年間の費用で比較すると、現金の場合は総費用166万190円で月額4万6116円、KINTOの場合は総費用143万3520円で月額3万9820円となり、KINTOの方がお得であることがわかります。
万が一、ぶつけたり事故などを起こした場合でも、免責5万円で修理することができます。1度や2度でなく、何度ぶつけても免責5万円は変わらないため、クルマに慣れていない若い人たちにとっては、安心してクルマを所有できるといえるのではないでしょうか。
その一方で、すでに自分で保険を契約しているユーザーは、KINTOの方が安くなるとは必ずしもいえないようです。保険の等級が高い場合や年齢をはじめとするさまざまな状況によって、どちらがお得になるかは変わってきます。
クルマの買い方がいろいろあるなかで、KINTOは新たな買い方を提案するものです。また、KINTOでは、ペットの乗車と車内での喫煙を不可としていることもあり、ユーザーの使用状況に応じて、どの買い方がお得になるのかを考慮したうえで、契約することが大切だといえます。
※ ※ ※
すでに保険契約をしている人がKINTOを契約した場合、自身の保険は中断することになります。KINTO契約中は自分の保険の等級は上がりません。逆に、何度事故を起こしても、KINTOの保険でカバーするため、自分の保険の等級が下がることもありません。
また、クルマを増車するときにもKINTOはお得だとされています。たとえば保険が20等級の人が増車するとき、セカンドカー割引が適用されても保険は7等級からはじまります。やはり割引率の関係で保険料が高くなってしまうので、そういったケースも、トータルで考えるとKINTOの方がお得になるようです。
何度ぶつけても?これ以上地雷を埋めるんじゃないよ