トヨタに定額で乗れる「KINTO」って何? 車のサブスクサービスで得する人とは
今後は「スープラ」「86」などのスポーツカーの展開も視野に
KINTOは、2019年2月から東京でトライアルを実施し、3年間で6車種のレクサス車に乗り継ぐことができる「KINTO SELECT」と、3年間で1台のトヨタ車(プリウス、カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、クラウン)に乗れる「KINTO ONE」のふたつのサービスを始動しました(アルファード、ヴェルファイアは現在受付を一時中止しています)。
さらに同年7月から、KINTO ONEは全国展開するとともに、車種にアクアを追加して本格的にサービスを開始しています(KINTO SELECTはトライアル地域を31都府県に拡大してトライアルを継続)。
これまでのKINTO ONEの申込数は累計951件で、ウェブでの申し込みが7割近を占めています。また、10代から20代が全体の20%、30代が17%と、トヨタの顧客層が高齢化しているなか、KINTOでは若年層が増えているといいます。
KINTOの代表取締役社長 小寺氏は、KINTOの申し込み状況について次のように説明します。
「ウェブ経由でKINTOを申し込むお客さまは、日ごろトヨタの販売店と付き合いがないお客さまが多いです。若い人にとって、クルマの販売店は敷居が高いものですが、ウェブを利用することで、手軽に申し込みができるというのもKINTOのメリットです。
これまで接点がなかった新規ユーザーを取り込むことができて、販売店にも歓迎されています。
最初は、KINTOがどういう顧客層にマッチするのか想像がつかなかったのですが、トヨタ全体のお客さまの年齢構成から比べると、KINTOを利用する人は若い人が多いというのは事実です。
契約件数はまだまだではありますが、われわれがこれまで接触できなかった新たな顧客層にリーチできていると評価しています」
2020年からは、KINTOのプランが大幅に拡充されることが明らかになりました。
2020年1月15日から、KINTO ONEのラインナップに「パッソ」「ルーミー」「タンク」「カローラ」「カローラツーリング」「カムリ」「ランドクルーザー」が追加されます。もっとも安いパッソは、月額3万2780円から利用できます。
また、導入時期や価格は未定ですが、2020年2月発売予定の新型「ヤリス」も追加される予定です。
さらに、レクサスブランドとして、「LX」「RX」「NX」「UX」「LS」「RC」「ES」「IS」がKINTO ONEに追加されます(LS/RC/ES/ISは2020年2月から)。
これまでトライアル展開されていたKINTO SELECTは、「KINTO FLEX」に名称を変更し、2020年2月下旬から全国展開を開始。3年6台プランに加えて、3年3台プランも追加され、3台のレクサス車に1年ごとに乗り替えるプランも選択できるようになります。
また、リースでのクルマ保有を希望する法人ニーズに応えるべく、KINTO ONEの法人受付が2020年1月15日から開始されます。任意保険が含まれるというKINTOのメリットはそのままに、月額利用費を賃貸借処理できる場合には全額経費として損金算入できということです。
加えて、若い人に少しでもクルマに乗ってもらう機会を提供すべく、2020年1月下旬から中古車版KINTO ONEのトライアルも開始される予定です。
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日本だけでなく、KINTOは海外にも広がっています。フランスやイタリアをはじめとする欧州や、タイやインドネシアなどのアジアの一部で展開しています。
また、すでに各種モビリティサービスを展開していますが、2020年以上はKINTOのグロバルブランドへの統一化を図るとしています。
国内でのサービス展開についても、現在はラインナップにない「スープラ」や「86」「GR」系のスポーティなモデルも選べるようにしたいと小寺氏はいいます。
その一方で、ユーザーの認知度が低い点は今後の課題としています。3年契約だけでなく、フレキシブルな期間設定ができるなどのサービス改善や、サービス認知や理解を得るための広告展開など、より多くの人に選んでもらえるような施策が必要です。
若い人はクルマを購入した経験がないので、KINTOのようなサブスクリプションサービスに抵抗がないといわれています。
高齢化する顧客層の若返りを図るためにも、KINTOはトヨタとしてもチャレンジする価値があるサービスだといえるのではないでしょうか。
何度ぶつけても?これ以上地雷を埋めるんじゃないよ