パトカーは300万円、消防車は3000万円超!? 「はたらくクルマ」はいくらで買える?
仕様が複雑すぎる!トラックはほとんどオーダーメイド
はたらくクルマの代表ともいえるトラックですが、その価格はひとことでは表せないほど複雑です。
その理由は、おもに荷台にあります。大抵のトラックは、ベースとなる車両自体もサイズなどによってグレード分けされているのですが、使用用途によって荷台のオプション装備が選べるため価格に差が出ます。

トラックは、大きく分けて「平ボデー」と呼ばれるフラットな荷台のタイプと、砂利や土などを主に運搬するため荷台の鉄板の厚みが違う「ダンプ」があります。
そしてベースとなる「平ボデー」タイプでも、標準キャブ(キャビン=運転席などを含む前方の部分)とワイドキャブ、ハイキャブ、ダブルキャブなどに分類されます。
また荷台の長さも標準・セミロング・ロングと別れており、これに搭載されるエンジンが数種類、さらに2WD・4WDの駆動方式が選べるので、これだけでも10種類以上になります。
さらに、鳥居の形状(キャビン部分と荷台部分の間にある仕切り)や、荷台の形状や高さ、荷台の周りを囲む側面のヘリの形状や開き方など、用途に応じてたくさんの組合せが存在します。
トラックはほぼオーダーメイドになるため価格もさまざまで、正式な発注から納車までにかかる時間も市販車に比べると長くなってしまうのです。
通常、はたらくクルマはディーラーで購入できますが、架装を専門におこなう業者も存在します。オークション主催者のスタッフは、次のようにいいます。
「荷台の改良などオプション扱いの装備は、メーカーでなく、基本的に架装を専門に行う業者が担当しています。希望のオプションを装着してはじめて納車になるわけです。
そこで、架装業者が事前に車両を購入し、ある程度の装備を見込みとして装着し、完成した状態でオークションにかけるパターンもあります。
これならすぐにクルマが必要な現場の人たちにとって、購入しやすく、納期も短くて済むというメリットがあります」
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日本の「はたらくクルマ」は海外でも人気が非常に高く、輸出されることも多いといいます。
現在は少し落ち着いていますが、数年前はドバイが建設ラッシュで、オークションに出ている車両だけでは足りず、全国から集めたはたらくクルマが輸出されていたようです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。




























