一時期大流行した「タイヤに窒素ガスを入れる」サービス どんなメリットがあるの?

タイヤ販売店やガソリンスタンドなどで、タイヤに「窒素ガス」を入れるサービスがあります。10年以上前に流行した際には、1本充填すると500円、4本で計2000円、というのが相場でしたが、いまでは無料で充填してくれるタイヤ販売店もあるようです。タイヤに窒素ガスを入れるメリットはあるのでしょうか。

「タイヤへの窒素ガス充填」は飛行機からはじまった

 愛車のタイヤへ空気を入れる代わりに「窒素ガス」を入れるサービスがあります。

タイヤに窒素ガス充てんすることってどんな意味がある?
タイヤに窒素ガス充てんすることってどんな意味がある?

 一部のカー用品店では、タイヤを購入すると無料でおこなってくれたり、有料で窒素を充てんするタイヤ販売店やガソリンスタンドもあり、目にすることも少なくありません。

 そんなタイヤへの窒素ガス充てんには、どんなメリットがあるのでしょうか。

 最初にタイヤに窒素ガスが充てんされはじめたのは、じつは自動車用のタイヤではないようです。

 それは飛行機です。国内大手の航空会社である日本航空株式会社に話を聞いてみました。

「航空機のタイヤは過酷な用途で使われます。着陸時には路面との摩擦でかなり高温になります。そして期待の重量も数百トンもあることで、タイヤへの負担は相当なものになります。もし、不測の事態が起きた場合、酸素が含まれない窒素ガスを充てんしたほうが、火災等が起こる可能性を最小限にすることができます」(同社広報)

 そしてもうひとつ、特殊な環境であることも窒素ガスを充てんする理由だそうです。

 「航空機の主流となるジェットエンジンを搭載した機種は、高度1万mと高い所まで上昇します。その際、外気温はマイナス60度という、極低温の環境におかれます。

 そういった環境下では、当然、水は凍結してしまうため、もしタイヤに空気を充てんしていた場合、空気に含まれていた水分がタイヤ内に影響を及ぼし、空気圧は急激に低下します。高度を徐々に下げて着陸するまでに、もしも空気圧が戻らなければ大変危険な状態になります。

 一方で、タイヤへ空気を充てんしていた場合は、着陸時にも危険が生じます。先の話と重複しますが、空気中の水分は高温時には水蒸気となり、体積を膨張させるので空気圧が一気に高まる危険性があります。よって、航空機のタイヤには窒素ガスを充てんしています」(同社広報)といいます。

 つまり、地上から高い高度まで極端な外気温の変化に対応するために飛行機のタイヤには窒素ガスの充てんが必須というわけです。いつからそうした取り組みが行なわれているのか、続けて聞いてみましたが「残念ながら詳細は不明です。しかし、相当以前から使用されていると聞いています」とのことです。

 飛行機の歴史は長く、さらにジェットエンジンを搭載した飛行機が高高度を飛ぶようになって、かなりの年月を経ています。そうした歴史を振り返ると、タイヤに窒素ガスを充てんする取り組みは、相当以前からおこなわれているのではと推測されます。

その起源は飛行機用タイヤ!? 「タイヤに窒素ガス」の画像を見る(8枚)

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3件のコメント

  1. コンパクトレンチではなく、インパクトレンチ

    • ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。

  2. そして期待の重量も数百トン —-> そして機体の重量も数百トン

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