売れていないけど大丈夫? 先行き不安な車5選
新型の登場が待たれる2台のロングセラーモデル
●スバル「レガシィB4」
長年にわたってスバルが築いた水平対向エンジンと乗用車4WDの技術を集約して開発された、初代「レガシィ」が1989年に発売されると、俊足なセダンとオールマイティに使えるステーションワゴンをラインナップしたことで大ヒットを記録します。
1996年のマイナーチェンジでは国産5ナンバー車初の280馬力エンジンを搭載(セダンRSのMT車)。2003年に発売された4代目ではボディが3ナンバー化されたことや、3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載した「3.0R」が加わるなど、高級車としても注目されます。
とくに北米市場ではBMW「5シリーズ」やボルボ「S60」と比較されるプレミアムカーのひとつとして認知されるようになっていきました。
そして、2019年2月のシカゴオートショーで7代目レガシィへのフルモデルチェンジがアナウンスされました。
2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンと、2.5リッター水平対向4気筒エンジンの2タイプのパワーユニットに変更され、キープコンセプトながらも存在感のあるセダンとして魅力を感じている人も多いようです。
しかし、日本国内では6代目が継続販売されており、7代目の発売は未定です。
現在のレガシィB4はかつてのようなパワフルさもなく、ベーシックな4WDセダンとなっており、一時代を築いた威光は鳴りを潜めています。
●三菱「ミラージュ」
1978年にデビューした三菱の新世代コンパクトカー「ミラージュ」は、エッジの効いたシャープでコンパクトなボディと、FFとしたことで室内空間を広くし、4輪独立懸架のサスペンションによる軽快な走りで人気車となりました。
後に、ハイパワーな1.6リッターエンジンや1.4リッターターボエンジン搭載車が追加されると、国産ホットハッチとしても人気が高まりました。
しかし、1995年に発売された5代目が2000年に生産終了となり、ミラージュの名が消えます。
ところが2012年に、これまでよりもひと回りコンパクトな車体になり12年ぶりに復活。6代目はタイで生産される世界戦略車として日本にも輸入されています。
コンパクトな車体により狭い市街地路や駐車場での扱いやすさを向上させ、エンジンは1リッター直列3気筒に副変速機構付CVT「INVECS-III」が組み合わされ、十分な居住空間と日常利用に支障のない荷室容量をもつ実用車となりました。
6代目は複数回の改良を繰り返し、2014年には横滑り防止装置やヒルスタートアシスト、緊急時のブレーキ踏力を補助するブレーキアシストの標準装備化などをおこない、エンジンも1.2リッター直列3気筒を追加。
2015年には低車速域衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制機能を全車に標準装備するなど改良がなされます。
しかし、基本設計の古さや、先進安全装備も最新型と比べると性能的に見劣りすることで、販売台数は低迷しています。
そうしたなか、2019年11月に、タイでフロントマスクのデザインを大幅に変更した新型ミラージュが発売されました。三菱車の共通デザインコンセプト「ダイナミックシールド」を初採用しています。
11月18日よりタイで販売を開始し、順次そのほかの地域でも販売される予定としていますが、日本での発売は未定です。
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2019年はトヨタ「マークX」「エスティマ」、日産「キューブ」、三菱「パジェロ」など、かつてヒットしたクルマが販売を終了します。
どんなにヒットしたクルマでも、商品の魅力が無くなることは避けられず、多くはモデルチェンジをおこないますが、それでも売れるかどうかはわかりません。
いまの自動車市場は、それほどまでにシビアになったということでしょう。
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