雪道対策!さまざまな種類があるタイヤチェーンの選び方とは

雪が降ると、生活の大部分に影響を与えます。あまり雪が降らない地域では、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤをとっさに用意できない状況も考えられます。そんなときに役立つのが、タイヤチェーンです。今回は、タイヤチェーンの選び方や取り付け方法のポイントを紹介します。

雪道走行初心者ドライバー必見!タイヤチェーンの種類やそれぞれのメリット・デメリットは?

例年は雪が降らない地域であっても、突然の雪が降ることはあります。気象庁の調べによると、積もらない量ではあるものの、東京でも毎年降雪が観測されているとのことです。日常生活に影響を及ぼすほどの積雪であれば、4〜5年に1度のペースと言われています。

金属チェーン。価格も安めなので冬の間は荷室に常備しておきたいもの
金属チェーン。価格も安めなので冬の間は荷室に常備しておきたいもの

 雪が積もることの多い地域に住んでい人であれば、タイヤチェーンや冬用タイヤの用意は万端でしょう。しかし、あまり雪の降らない地域の場合、その用意をしていない人も多いのではないでしょうか。

 今回は、タイヤチェーンの選び方について、基本的なポイントを紹介します。

 タイヤチェーンには、大きく分けて3つの種類があります。一般的に使われている「金属チェーン」、ゴムやウレタン樹脂で形成されている「非金属チェーン」、タイヤを覆う「布製カバー」です。

 金属チェーンのメリットは、坂道や制動性能に優れている点です。鉄のチェーンが路面の雪や氷に深く食い込むため、スタッドレスタイヤよりも性能を発揮する場面もあります。さらに対応サイズが豊富で低価格な商品が多いので、クルマの荷室に常備しておいてもよいでしょう。

 デメリットは、装着に慣れていなければ時間がかかる点や、雪が降っていない路面では金属による騒音が発生する点です。さらに、高速走行ができないため、雪が積もっていない道では取り外す必要があります。

 非金属チェーンのメリットは、金属と比べて高い静音性、凍った路面でも威力を発揮する、などが挙げられます。ゴムやウレタン樹脂でできているため、金属製と比べて走行音は静かですし、トレッド面に打ち込まれた無数のスパイクピンが凍結した路面や横滑り時に滑りにくくしてくれます。また、弾力性があるため、舗装された路面が傷つきにくい点もあります。

 デメリットは、使用後のメンテナンスによって寿命が大きく変わってしまう点です。使用後は水で洗いしっかりと乾燥させてから保管するのがポイントとなります。

 布製カバーのメリットは、簡単に取り付け・取り外しが可能な点や、収納がしやすい点などです。トヨタなどの国内メーカーも、一部の車種では純正オプションを設置するなど、近年普及しているグッズです。そのシンプルな仕様は、タイヤチェーンと言えば扱いが難しい、というイメージを払拭しています。振動が少ないため静粛性も高く、快適な走行が可能な点も人気なポイントです。

 デメリットは、金属製や樹脂製チェーンに比べてグリップ性が劣ることです。また、耐久性もそれらに比べると低くなります。

 最近、カー用品店などではスプレー式のタイヤチェーンというものも目にします。これは、吹きかけるだけで雪道でのグリップ力を向上させるというもので、噴射された液体の中に樹脂が含まれており、その樹脂がトレッド面に付着し摩擦を生み出す仕組みとなっています。

 気をつけなければいけないのは、一般的にスプレー式タイヤチェーンと呼ばれるものは「タイヤチェーンではない」ということです。

 一般的にいわれる「チェーン規制」には、「冬用タイヤ規制」と「チェーン装着車以外通行禁止」というものがありますが、サマータイヤにこのスプレー式の薬剤を吹いても、どちらの規制の場合も走行することはできません。

※ ※ ※

 タイヤチェーンの選び方について、カー用品店「オートバックス」を運営する株式会社オートバックスセブンは以下のように話します。

ーー初めてタイヤチェーンを購入する場合、用意すればいいものはあるのでしょうか。

 タイヤチェーンはタイヤの大きさによってサイズが違いますので、ご自身のクルマのタイヤの大きさを知るところから始まります。タイヤの側面に『195/65R15』などと書いてあると思いますので、そのサイズをメモしてご来店いただくと、スムーズに対応できるかと思います。

 なお、車種によってはタイヤチェーンが着けられない場合もありますので、そういった場合は、スタッドレスタイヤを装着するのが良いかと思います」

ーー雪道を走る頻度や場所によって最適なチェーンが異なると思いますが、タイヤチェーン選びのポイントを教えて下さい。
 
 使用シーンによって選ぶポイントが変わります。

 スタッドレスタイヤを装着しているけど、深い雪道を走る可能性がある場合は、昔ながらの金属製ではしご状になっているチェーンがおすすめです。

 年に1~2回、スノボになど行くという方は、非金属の樹脂製チェーンがおすすめです。付け外しが簡単で、多少乾燥路を走ってもちぎれてしまうことはないでしょう。ですが、長距離のつけっぱなしはNGです。

 コストは抑えたいけど雪が降った時に不安、という方にはリングチェーンが良いでしょう。乾燥路を走る際は外す必要があるため手間はかかりますが、コスパは非常に良いチェーンです」

 全国的に冬が近づいてきましたが、クルマの冬支度は早めにしておいて損することはありません。スタッドレスタイヤに交換しないクルマには、タイヤチェーンやスノーブラシをトランクなどに事前に準備しておくことをおすすめします。

 備えあれば憂いなし、タイヤチェーンあれば滑りなし、遠出の際の急な雪道や凍結も、余裕をもって対応できるようにしましょう。

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