コンビニの駐車場の枠数は何で決まる? 有無や広さが店舗ごとにバラバラすぎるワケ
コンビニエンスストア(コンビニ)には、駐車場の枠数が潤沢にある店舗と、かろうじて1台から2台分の駐車場が確保されている店舗、そして駐車場の無い店舗があります。店舗ごとに出店条件が異なるとはいうものの、駐車場の枠数はどのようにして決められるのでしょうか。
狭いコンビニの駐車場はなぜ存在? ほかの小売店と異なる事情とは
クルマを日常生活の足とする人にとっては、駐車場付きのコンビニエンスストア(以下、コンビニ)はありがたい存在です。地方では、10台以上の大型車を停められるような大きい駐車場を持つコンビニも珍しくありません。
一方、都市部では駐車場がそもそもなかったり、かろうじて1台から2台分設置されている店舗がある一方、都内や横浜でも20枠以上の駐車場を持つコンビニもあります。コンビニの駐車場の枠数は、どのようなルールで決められるのでしょうか。
コンビニには、商標施設内のテナントとして出店されるケースもあることから出店形態はさまざまですが、独立した店舗の場合はどのような基準があるか見ていきます。
2019年2月時点で全国に1万4659の店舗を持つローソンの「出店ガイドライン」によると、「郊外型店舗・路面店舗」の場合の出店場所として、敷地面積は120坪以上(約400平方メートル、間口は20m以上)、店舗面積は60坪(約200平方メートル、店舗間口は19.8m以上)という基準となっています。
ローソンに限らず、店舗面積60坪はコンビニの一般的な広さとなります。
なおローソンの広報室によると、2018年度では全国の店舗のうちおよそ7割に駐車場が設置されているとのことでした。1店舗ごとの台数は、どれくらいになるのでしょうか。千葉市内で建築、不動産業を営む小野寺さんに話を聞くと、次のように説明します。
「敷地面積は400平方メートル以上、店舗は200平方メートル以上ということは、店舗入り口の通路確保などを考慮すると、単純に計算した普通車の駐車スペースとしては7台から12台くらいになると思われます。ただし、駐車の線引きや敷地形状により変動が有ります」
ケースバイケースではあるものの、駐車場を持つコンビニの標準的な枠数は、このように決められます。
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一方、前述のとおりコンビニはさまざまな出店形態があるほか、条件やオーナーによって事情はさまざまです。そのため、駐車場の有無自体に関しては規定があるわけではないようです。
セブン-イレブン・ジャパンの広報室は、次のように説明します。
「お店の広さや場所に応じて駐車場を何台以上設置しなくてはならない、という決まりはありません。クルマでの来店が多そうな店舗であれば、駐車場は必須といえるでしょう。その場合もどれくらいのスペースを駐車場とするか、何台分を設置するか、などはオーナーさんの意向となります」
ちなみに、商業施設や公共施設などには、敷地面積(延べ床面積)やその建物がある地域の人口などに応じて、駐車場の附置が義務付けられています。国土交通省が標準条例を定めていますが、実情は各都道府県の条例に基づく判断となります。
しかし、これらの条例による駐車場附置義務も、対象となるのは1500から2000平方メートルの大きな建物なので、広くても300から400平方メートルのコンビニは対象外となります。つまり、駐車場を設置しなくてはいけないという法的な決まりはありません。
また、前述の小野寺氏によると、最近では自動車の保有台数が減少していることもあり、大都市圏においては特殊な事情があるようです。
「2014年に国土交通省が改正版の指針を出していますが、大都市圏での駐車場供給過多に対して自動車の保有台数が減少しているので、設置努力ではあっても実際は義務ではなかったと記憶しています。
一方、地方都市では土地があるので、設置義務はなくても駐車場を併設する店舗が当然となるでしょう。クルマが日常の足となる地域は、駐車場がないお店にはお客さんも集まりません」(小野寺氏)
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