本格的なオフロード走行が得意な4WDとは？

●常時4輪で駆動するセンターデフ付きフルタイム式4WD

　FRなどがベースとなっていて、常に4輪で駆動しているのが「センターデフ付きフルタイム式4WD」です。

「センターデフ」とは、4WDが稼働中に前輪と後輪の回転差を解消してくれる差動装置で、前輪と後輪の回転差を検知し、前後に適正なトルクを配分することで空転を防いでくれるものです。

　また、左右の回転差を解消するために「LSD（リミテッドスリップデフ）を一緒に搭載していることが多いです。

　センターデフ付きフルタイム式4WDは、長い歴史を誇る4WD方式で信頼性が高いといわれています。常に4輪にパワーが伝わっているので、悪路に強いのが特徴です。

　また、舗装路でもエンジンが生み出すパワーを伝えやすいことから、力強い走りが求められる大排気量エンジンを搭載した車種に多く採用されています。

　その一方で、フロントエンジンから後輪へとつながる「センターデフ」が大きくフロアに侵食するため、コンパクトなモデルには不向きといわれています。また、常に4輪で駆動するため、燃費性能に影響が出やすいという性質もあります。

　トヨタ「ランドクルーザー」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」などが採用していることからもわかるように、本格的なオフロード性能を持つ高級SUVに最適な4WD方式といえます。

●シンプルで頑丈さが自慢のパートタイム式4WD

　さまざまな4WDのなかで、もっともシンプルな構造となっているのが「パートタイム式4WD」です。車内に設置されたレバーやスイッチで2WDと4WDを選択できるようになっています。

　ドライバーが4WDを選ぶと前後のトルク配分が50：50で固定され、滑りやすい雪道や悪路などでもしっかりと駆動力を発揮します。また、シンプルな構造のため信頼性も高く、岩場などのヘビーな道路状況なども得意としています。

　センターデフ付きとは違い、前輪と後輪の回転差を吸収するような機構を持たないため、舗装路などで4WD状態のままステアリングを操作すると回転差が生じやすく、ブレーキがかかったような状態になりやすい傾向があります。その場合は任意で2WDに切り替える必要があります。

　このパートタイム式4WDは歴史も古く、シンプルな構造であることで、ジープやスズキ「ジムニー」など、ヘビーデューティ的な走行性能を求められるクルマに採用されています。

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　FFやFRでは心もとない突然の雪や凍結路などでは、4WDであれば高い安心感を得て安全に走行することができます。

　4WDといってもいくつかの種類が存在し、それぞれに得意分野が違うので、どのような特徴があるのかを把握して、自分に最適な4WD車を選ぶのが良いでしょう。