トヨタ「スープラ」並に速い? 新型「RAV4プライム」は、燃費と速さを両立したモデルだった
エコなだけじゃない! 優れた空間効率を実現できた理由とは?
気になるのは、プラグインハイブリッドシステムのメカニズムです。
RAV4のチーフエンジニアを務める佐伯禎一氏は、「大きなバッテリーをEV航続距離延長のためだけに使う、というのがこれまでのPHVの考え方でした。しかし、RAV4のプラグインハイブリッドは、大容量バッテリーを動力性能向上にも活用する新しい考え方のシステム」といいます。
実際に、発表されたRAV4プライムの0-96km/hの加速性能は5.8秒。これは通常のRAV4ハイブリッド(7.8秒)よりも速いだけでなく、「トヨタブランドでは『スープラ』の次に速い」と北米トヨタのジャックホリス副社長は速さを強調します。
高出力のV型6気筒エンジンを搭載するモデルもあるなかで、スープラの次に加速が鋭いとは驚きです。
RAV4のプラグインハイブリッドは、単にエコな乗り物というだけではなく、ハイレベルなパフォーマンスも兼ね備えたエコカーといえるでしょう。動力性能で個性をつけるのは、今後のプラグインハイブリッドのひとつのトレンドになりそうな気配です。
プラグインハイブリッドシステムは新開発で、エンジンこそ通常のRAV4ハイブリッドと同じ2.5リッターですが、リチウムイオン電池とモーターを大容量化して高出力を実現。システム出力はRAV4ハイブリッドを84馬力も上回る306馬力にも達しています。
またEV航続距離は北米の計測モードにおいて約62km。北米においてPHVモードによる燃費は90MPGe(約38.3km/L)と燃費にも優れ、「最高の走行性能と燃費を両立したモデル」とジャックホリス副社長は強調します。
ところで、気になったのは使い勝手です。大容量バッテリー搭載の影響で室内や荷室が狭くなっていることはないのでしょうか。たとえばプリウスPHVは、荷室下にバッテリーを積んだことで、わずかですが床が高くなり、普通のプリウスよりも荷室が狭くなっています。
そこで実車を細かくチェックしてみたのですが、荷室に通常モデルからの変化は確認できませんでした。バッテリーを床下へ搭載して、後席の足元の床が高くなっているかといえば、それもありません。すなわち、室内スペースへの犠牲はまったくないのです。
しかし、そのパッケージングの秘密は、クルマの床下を外から覗くとわかりました。車体の下にバッテリー搭載による張り出しがあるのです。車体の下に張り出させることで、室内を狭くしないパッケージングを実現したというわけでした。
RAV4プラグインハイブリッドは、日本でも2020年夏からの発売がアナウンスされています。自慢の加速性能を体感するのが楽しみです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
こんな車がスープラ並みである意味すらないし比較対照でもないだろ
忘れてはならないのは巡航では駆動用バッテリーとモーターは単なる荷物だと言う事
それとスープラ並みの速さを引き出せばバッテリーが息切れして次に同じタイムを出せないのは性能とは言わない。