優秀なエンジンもいつかは消える!? 注目されながらも失われたエンジン5選
唯一無二のエンジンは復活なるか!?
●マツダ「ロータリーエンジン」
1967年にデビューしたマツダ「コスモスポーツ」は、コンパクトで流麗な2シータークーペで、フロントに世界初の実用量産型ロータリーエンジン「10A型」を搭載していました。
ロータリーエンジンは、一般的なレシプロエンジンのようにピストンの往復運動を、クランク軸を介して回転運動に換える必用がないことで、振動や騒音が少なく、回転上昇もスムーズです。
コスモスポーツの発売以降、世界中でロータリーエンジンの動力性能が高く評価され、マツダは小型車から高級車、マイクロバスに至るまでロータリーエンジン搭載車をラインナップしました。
しかし、オイルショックを境に燃費の悪さから「ガスイーター」と酷評され、マツダはロータリーエンジンを特別なスポーツカー用のみにスイッチせざるを得なくなりました。
ロータリーエンジンは部品点数が少なく、軽量コンパクトという特徴があり、スポーツカーには適したエンジンということで、「RX-7」そして「RX-8」に搭載されました。
一方で、改良が進みつつも燃費の劇的な改善は難しく、2012年にRX-8の生産終了に伴って、ロータリーエンジンも消えてしまいました。
いまでは再びロータリーエンジンの長所が見直され、電気自動車の発電用エンジンとして将来的に復活するとマツダからアナウンスされています。
●トヨタ「V型12気筒エンジン」
一般的にレシプロエンジンは気筒数が多いほどスムーズな回転となり、振動や騒音が低減されます。そこで、1960年代からトヨタ「センチュリー」や日産「プレジデント」といった高級車は、V型8気筒エンジンを搭載していまいた。
長期間、両車にはV型8気筒エンジンが採用されてきましたが、1997年に登場した2代目センチュリーに、日本の市販乗用車としては史上初で唯一のV型12気筒エンジンが搭載されました。
センチュリー専用に開発された、5リッターV型12気筒「1GZ-FE型」エンジンは、最高出力280馬力と控えめなパワーでしたが、6気筒ずつ制御することが可能だったため、万が一片方のバンクに不具合が生じても、もう片方のバンクの6気筒が機能して走行し続けられるよう設計され、まさに要人のためのクルマに相応しいエンジンとなっていました。
この国内唯一の乗用車V型12気筒エンジンは、2018年にセンチュリーがフルモデルチェンジした際にV型8気筒ハイブリッドにスイッチされて、市販車からは消滅してしまいました。
しかし、天皇陛下がお乗りになる御料車「センチュリーロイヤル」に、このエンジンが搭載されており、まだまだ活躍し続けることでしょう。
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ハイブリッドや電気自動車の普及により、純粋なエンジン搭載車は減少傾向にあります。しかし、まだまだ内燃機関の開発は続いており、すぐに無くなることはないようです。
いまでは現役を退いた、ある技術者は「エンジンの魅力は、生き物のように振動と音、熱を発するところ」といいます。
昔はエンジンを始動することを「火を入れる」と表現していましたが、どんなに電子制御化進んでもアナログな一面は変わらないのではないでしょうか。
シャレードのディーゼルはディーゼル機関の1気筒あたり最低400ccと言う壁を破った画期的なエンジン
他は並走パフォーマンスのCMでお馴染みのJT型のジェミニ1500ディーゼルや2代目カローラ2とターセル姉妹のディーゼル