ファミリーカーは経済性を重視? ホンダ新型「フリード ハイブリッド」の実燃費を徹底調査
アップダウンが激しいワインディングはちょっと苦手?
●ワインディング路
走行距離:42.7km
実燃費:20.0km/L
ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。
ターンパイクの料金所から3kmほど登ったところでハイブリッドのバッテリーは底をつき、エンジンは駆動に発電にとフル回転(回転はMAXではありませんが)。そのため、騒音レベルは一気にアップしてしまいました。
一方の下りでは、せっかくの7速DCTもパドルシフトやマニュアル操作ができないので、やや消化不良。エンジンブレーキを利かせようとLレンジに入れると一気にエンジンの回転数が上がってしまい、Dレンジだとフットブレーキを多用せざるを得ないという状況でした。
ただ、エンジン音の騒がしさに対して燃費はそこまで悪化せず、42.7kmを走って20.0km/LとWLTCモード燃費の20.8km/Lに匹敵する値だったのは驚きです。
●一般道
走行距離:66.0km
実燃費:27.5km/L
一般道は、国道134号から国道246号を経由して都内にまで戻ります。平日ながら交通量の多いルートなので、必然的にノロノロ運転を強いられるシーンもありましたが、ギクシャクする感じも皆無でした。
また、アクセルコントロールで積極的にEVモードに入れるコツも分かってきたので、流れを乱さない程度にEV走行を楽しんだ結果、燃費はなんと27.5km/Lをマーク。
WLTC市街地モード燃費は17.7km/Lですから、10km/L近く良い数値となってしまいましたが、極端な燃費走行をしなくてもここまでの低燃費を実現できるポテンシャルを秘めているということだといえます。
※ ※ ※
マイナーチェンジをしたばかりのフリードハイブリッドの実燃費テストは、走行シーンによってはカタログ燃費を大きく超えるところもあり、経済性も見逃せないファミリーカーとしては、一線級の実力を持ち合わせていることが分かりました。
燃費テストに使用した車両は「Sパッケージ」と呼ばれるメーカーオプションが装着されており、アルミホイールが標準となっていましたが、サイズは純正と同じく15インチのままです。
最近は見た目を重視してコンパクトカーでも大径ホイールを装着することが増えていますが、やはり燃費はもちろん乗り心地の面ではどうしても不利になりがちなので、ここをインチアップせず15インチのままにしたホンダの決断には拍手を送りたいところです。
ただ、ここまでパッケージング含めまとまっていると、ミドルサイズミニバンの「ステップワゴン」の存在がややかすんでしまうというのもまた事実です。
売れに売れているN-BOXも含め、ホンダはクルマが小さければ小さいほど真価を発揮しやすい社風といえるのかもしれません。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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