使える・走れるSUV アストンマーティン「DBX」は美しいだけじゃなかった!
ニッチなマーケットに照準を当てたアストンマーティンの戦略
発表会後にはラウンドテーブルによるインタビューが用意され、さらにDBXについての詳しい情報を得ることができました。
フェラーリをはじめとして、ラグジュアリーブランドのカーメーカーは、徹底的な市場リサーチをおこなって車両開発しています。それはアストンマーティンにおいても同じです。
アストンマーティンの調べでは、現在アストンマーティンを所有しているオーナーの70%が、SUVも所有しているそうです。また、たいていのオーナーが、クルマを4、5台所有していることも分かっています。
こうしたオーナーのニーズに応えることも、DBXのプロジェクトがスタートした理由のひとつです。アストンマーティンのオーナーの視点からすれば、ガレージに納まる車両の管理を同じメーカーのディーラーに一元化できるというメリットがあります。
DBXの開発は、車幅を2m以下にするというアンディ・パーマーCEOの一声からスタートしました。日本市場のことをよく知るパーマー氏ならではの英断といえるでしょう。
プラットフォームはDBXだけに専用開発された新設計となります。アストンマーティンのVHプラットフォームなどと同じく、接着アルミ・スペースフレームを採用したことで、軽量化が図られています。
他のラグジュアリーブランドのSUVがプラットフォームを共用しているケースが多いなかで、DBXだけは専用のプラットフォームとなるため、よりニッチな富裕層マーケットに合うSUVを生み出すことが可能となったのです。
DBXはゲイドンではなく、新たに新設されたセントアサン工場で製造されます。セントアサン工場の最大年間生産台数は5000台。ゲイドンでは年間7000台がマックスなので、工場がフル稼働したとしても、DBXを含めたすべてのラインナップ車種を1万2000台しか生産することはできません。
しかし、クラフトマンシップによる少量生産で生み出されるアストンマーティンは、工場の最大キャパシティでクルマを作ることはないそうです。それは、アストンマーティンのブランド価値を維持する上でも必要なことなのです。
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ラグジュアリーブランドのSUVとして後発のDBXですが、DBXの登場を心待ちにしているカスタマーが確実に存在しています。
しかもスポーツカーのような美しいスタイルを実現しただけでなく、クラス最高の車内空間を確保し、実際に使えるラゲッジスペースを備えた実用性も兼ね備えています。
アストンマーティンとしてのオンロードでの高い走行性能はもちろんのこと、オフロードでの走破性も当然ながら高いレベルで実現しているDBXは、先行するコンペティターとはキャラクターが被らない独自のポジションを確立しました。
すでにアストンマーティンのスポーツモデルを所有しているオーナーだけでなく、初めてのアストンマーティンとしてDBXを選ぶのも賢い選択といえるでしょう。
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