なぜ車の球切れは警告灯がない? 違反内容やメーター内に表示されない理由とは

クルマを運転していると気づかないうちに、ヘッドライトやブレーキランプが球切れしていることがあります。ライト類の球切れはそれぞれ道路交通法違反に該当しますが、なぜ油温や水温、残燃料などの警告灯はあるのにライト類の球切れの警告灯はないのでしょうか。

球切れは違反に!確認や交換はどうすればいい?

 クルマを運転中、ヘッドライトやブレーキランプの片側だけ消灯しているクルマを見かけることがあります。これは、電球の一部が切れてしまったことで消灯してしまっているのです。

 クルマのメーターには、油温や水温、燃料残量などさまざまな計器や警告灯が付いていますが、なぜライト類の異常に関する表示はないのでしょうか。

最近の新型車には、さまざまな警告灯があるが球切れはあまり見かけない
最近の新型車には、さまざまな警告灯があるが球切れはあまり見かけない

 夜間走行などでライト類が正常に作動していないと、事故やトラブルの原因となるだけではなく、警察の取り締まりの対象になる場合もあります。

 ドライバーは、乗車前の日常点検をしなければなりません。しかし、電球が切れるのかの予測はできないため、多くのドライバーは誰かに指摘されるまでは気付かないのが現状です。

 では、なぜほかの警告灯はメーター内にあるのに、球切れの警告灯はないのでしょうか。大手自動車メーカーの担当者は以下のように話します。

「基本的にメーター内にある表示は、走行に関わる異常や故障を知らせるもののほか、ドライバーが正しい操作をおこなわなかったときの注意や警告などがあります。とくに警告灯は、トラブルが起こると重大な故障になりかねないものを点灯させています」

※ ※ ※

 しかし、クルマの球切れについては、車検時に不合格とされるため公道を走行できなくなるだけでなく、「整備不良」として道路交通法第六十三条の対象となる可能性があります。

 実際に球切れとなった場合は、違反点数は1点、反則金は大型車で9000円、普通車は7000円、二輪車は6000円、原付や小型特殊は5000円が科せられます。

 ちなみに、走行中にパトカーに止められた場合、すべてのケースで切符を切られるわけではなく、注意のみで対応が終了するケースもあるといい、実際に取り締まりをおこなう警察官は次のように話します。

「ランプ類の球切れは、道路交通法違反に該当しますが、クルマの球切れは前兆がなく予測が難しいため、注意喚起に留まることがほとんどです」

 しかし、違反を逃れたからといって、事故につながる危険な状態であることには変わりはありません。球切れを指摘された場合は、速やかに交換するようにしましょう。

 では、クルマの球切れはどのようにして確認したらよいのでしょうか。

 高級車や輸入車、または最新モデルのクルマには「球切れ警告灯」が備わっていることがあり、メーターを見ることで直感的に球切れを確認することができます。しかし、多くの国産車にはそのようなシステムが備わっていないため目視以外の確認方法がありません。

 ヘッドライトであれば、夜間の走行時に「普段よりも暗い」と感じたり、前方車両に反射しているライトが片側しか点灯していないなど、比較的気がづきやすいですが、後方のランプは走行しているだけでは、気がづかないことがほとんどです。

 確認方法としては、ポジションランプをオンにして車外に出て目視での確認、ブレーキペダルに棒などをつかえ車外に出て点灯確認、などがありますが、雨の日や最適な道具がなければ難しいです。

 その場合は、ガソリンスタンドなどで給油時にスタッフに目視してもらうことで、前後のライト類を日頃から確認することができます。

 万が一、球切れや配線類の不良などでライト類が点灯しない場合などは、「手信号」が役立ちます。

 道路交通法では手信号による走行が認められているため、球が切れたときの対処法として有効です。右ハンドルの場合であれば、「右に曲がる場合は、右腕を水平に」、「左に曲がる場合は、右腕の肘を垂直に曲げる」、「ブレーキの合図は、右腕を斜め下に伸ばす」、「バックする場合は、右腕を斜め下にして前後に動かす」といった方法となっています。

 手信号は意思表示が可能となるため、万が一の場合に備えて覚えておくといいでしょう。

【画像】全部意味わかる?メーター内にある警告表示をチェック!

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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