クルマの屋根にはいくつも種類があった!? 珍しいルーフ5選
超高級車のみ許されたルーフとは!?
●メタルトップ
「メタルトップ」は、外すことが可能な「デタッチャブルハードトップ」を指す言葉でしたが、現在は金属製だけでなくFRPや樹脂素材を用いたものがほとんどとなっており、日本では機械的に開閉可能なハードトップを持つクルマのルーフ構造を指すことが一般的です。
国産車初の開閉式メタルトップは、1989年に限定車として登場した2代目トヨタ「ソアラ3.0GT」をベースにした「ソアラ エアロキャビン」で、ループパーツを格納するためにリアシートを廃した2名乗車で、本革シートの採用など贅沢なクルマでした。
ただし、ソアラ エアロキャビンはフルオープンではなく、各ピラーと屋根の骨格部分が残るタイプで、ルーフパネルとリアウインドウが格納される構造となっていました。
国内でメタルトップが普及したのは1991年にデビューしたスズキ「カプチーノ」からです。脱着可能な3ピース構成のアルミ製ルーフパネルを持ち、クローズ、フルオープン、タルガトップ、Tバールーフの4つのスタイルを楽しめました。
さらに、7代目日産「シルビア」をベースに、2000年に電動メタルルーフを備えたオープンカー「シルビア ヴァリエッタ」を発売。シルビアでは、フルオープンが可能でした。
そして、2000年代になると電動メタルトップが世界中で大流行となり、メルセデス・ベンツ「SLKクラス」、プジョー「206CC」、日産「マイクラC+C」、三菱「コルトCZC」(国内導入なし)など国内外でさまざまな電動メタルルーフ車が登場します。
後席スペースや荷室容量が狭くなるデメリットはありますが、耐候性や静粛性はクローズドボディ並ながら、スイッチひとつでフルオープンになるのが魅力でした。
●ランドーレット
さまざまな屋根のなかでも「ランドーレット」といわれる形態は、非常に珍しいタイプです。
ランドーレットは古くから存在するボディタイプで、前席部分にはルーフパネルを持ち、後席部分は幌または脱着式のルーフパネルを採用したものを指します。
なお、馬車の時代には運転席と客席が分離され、前席には屋根がなく後席のみに幌などの屋根を備えたものを「ランドートップ」と呼んでいました。
後席がオープンとなるクルマなので、パレードなどの際に要人や有名人を乗せることが主な用途で、多くの販売台数が見込めないために、自動車メーカーが作るのではなく外装専門業者(コーチビルダー)が市販車をベースに改造するケースがほとんどでした。
自動車メーカーがラインナップした例では、ドイツのコーチビルダー、バウアー社が1970年代に製造したBMW「2002 バウアーカブリオ」や2代目「3シリーズ」の「318 バウアーTC(トップカブリオ)」があり、後者は日本にも正規輸入されています。
近年では極少数の販売でしたが、ダイムラーの高級車ブランド、マイバッハからエグゼクティブサルーン「62」の後席上部のみを開閉可能にした「62ランドレー」や、「Gクラス」をベースに製作したメルセデス・マイバッハ「G650ランドレー」などがありました。
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クルマのフォルムを決定する大きな要素であるルーフ形状にはさまざまな種類がありますが、オープンカーというだけでもいくつかの形態があり、各社が工夫を凝らしています。
オープンカーは、かつてはソフトトップが一般的でしたが、いまでは今回紹介したように、より手軽にかつ快適にオープンエアドライブが楽しめるようになりました。
屋根が無いクルマの開放感は格別で、のんびりと走っているだけでもドライブが楽しくなりますから、1度体験してみることをおすすめします。
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