トヨタ「セリカ」復活へ! 世界初の「画期的ユニット」&日本初の「ターボエンジン」に「斬新システム」採用! “スペシャルティカー”を支えてきた革新的技術とは?

「ラリージャパン2024」でトヨタの中嶋副社長が「『セリカ』、やっちゃいます」と復活を示唆する発言をしたことが話題となっています。そんなセリカには、歴代モデルに数々の世界初及び日本初の技術が取り入れられました。一体どのようなものなのでしょうか。

歴代セリカの大きな魅力となった革新的技術とは?

 2024年11月21日から24日まで愛知県・岐阜県で開催された「ラリージャパン2024」のトークショーで、トヨタの中嶋副社長が「『セリカ』、やっちゃいます」と復活を示唆する発言をしたことが話題となっています。
 
 セリカは、スポーツカーのような外見でありながら、走行性能のみならず快適性や居住性も重視した日本初の“スペシャルティカー”として、歴代モデルに数々の世界初及び日本初の技術が取り入れられました。
 
 今回は、セリカに投入された革新的技術を3つ紹介します。

これまでのセリカに採用されてきたスゴイ技術とは?
これまでのセリカに採用されてきたスゴイ技術とは?

●【世界初】アクティブサスペンション
 
 クルマの足回りは、路面からの衝撃を吸収するスプリング、ダンパー(ショックアブソーバー)、サスペンションアームで構成されています。

 これらは車輪を安定させつつ、乗り心地と走行性能のバランスを保つ重要な役割を担います。

 しかし、通常のサスペンションは設定が一定で、柔らかいセッティングは乗り心地が良いものの安定感に欠け、固いセッティングは操作性が向上する一方で快適性が低下するというトレードオフがありました。

 この課題を解決する技術として、コンピュータを活用しサスペンションの動きを制御する「アクティブサスペンション」が登場し、1989年には5代目セリカに世界で初めて量産車にアクティブサスペンション(トヨタ アクティブ コントロール サスペンション)を搭載した「セリカ アクティブスポーツ」を限定300台で発売。

 同車には、電子制御ハイドロニューマチック・アクティブサスペンションが採用され、金属スプリングを補助的に使いつつ、センサーによる走行状況の検知と油圧制御で車体の動きを抑制するシステムが用いられています。

 その結果、通常モデルに比べ、カーブ時のロールは約4分の1に、ブレーキ時のノーズダイブは約半分に軽減され、快適な乗り心地と高い運動性能を両立しました。

 しかし、このシステムは非常に高価で、通常モデルとの価格差は約120万円、当時の軽自動車が買えるほどの金額でした。

 このアクティブサスペンションはその後も進化を遂げ、1991年には「ソアラ」で世界初となるフル・アクティブサスペンションとリアステアの統合システムを初搭載するなど、現在のクルマの電子制御技術の基礎となっているのです。

●【日本初】フルチョイスシステム

 1970年に発売された初代セリカには、ユーザーの多様なニーズや個性を反映するために「フルチョイスシステム」を採用しました。

 このシステムでは、エンジンや外装、内装の組み合わせを自由に選べるようになっており、そのバリエーションは27種類に及びます。

 さらに、トランスミッションやボディカラー、オプションパーツを加えると、数百万通りもの組み合わせが可能となりました。

 これにより、顧客は自分好みの1台をオーダーメイド感覚で作ることができたのです。

 このフルチョイスシステムを実現するため、トヨタは「デイリー・オーダー・システム」を導入。

 全国の販売店がその日の注文をトヨタにリアルタイムで送信し、集計されたオーダー情報を基に生産ラインの計画を立て、生産指示が迅速に行われました。

 デイリー・オーダー・システムの導入により、注文から納車までの期間がこれまで16日以上掛かっていたところが、最短8日、平均でも10日前後での納車が可能となり、大幅に短縮。

 このシステムの導入は、顧客満足度の向上だけでなく、販売活動の効率化や競争力の強化にも繋がり、他社との差別化を図る上で大きなメリットとなった結果、セリカの魅力をさらに高める大きな要素となりました。

●【日本初】ツインカムターボユニット

 1981年に登場した3代目セリカは、翌年1982年に従来の2リッター直列4気筒エンジンに代わり、国産初のツインカムターボエンジンを積んだ「1800GT-T」が新たにラインアップに加わりました。

 この新たなエンジンは、1.8リッター直列4気筒エンジンをベースにDOHC化し、ツインプラグ方式を採用して1気筒あたり2本の点火プラグを備えています。

 さらにトヨタ製ターボチャージャーを搭載し、最高出力160ps・最大トルク21.0kgmを発揮。

 1リッターあたり90.4psという当時の国産車としては非常に高い出力比を誇り、先進的なエンジン技術の象徴となりました。

 なお、セリカとプラットフォームを共有していた兄弟車の「カリーナ」や「コロナ」にも、同様のツインカムターボエンジンが搭載されました。

 そんな1800GT-Tには、クーペとハッチバックが用意されましたが、そのうちクーペをベースにした「1800GT-TS」という特別仕様車が、グループBのホモロゲーションモデルとして200台限定で発売。

 このモデルはトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)によって大幅に改良され、世界ラリー選手権(WRC)で活躍し、特に1984年から1986年にかけて、サファリラリーで3年連続優勝という輝かしい成果を残しています。

 このように、ツインカムターボエンジンを搭載したことで性能面でも競技実績でも大きな影響を与え、セリカのスポーツカーとしてのイメージを一段と強固なものにしました。

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