日本は無理? 過激がウリの米カスタムカーショー大人気! なぜ盗難車から焦げた車まで展示するのか
日本メーカーからもぶっ飛びマシンが登場! 過激車両をなぜ展示できる?
SEMAショーには、日本メーカーのブースにおいてもぶっ飛んだマシンが数多く展示されていました。
そのなかの1台であるトヨタ「アヴァロンTRD Proコンセプト」は、米国TRDの40周年を記念して作られた、推定最高出力330HPを発揮する3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載した世界最速のFFフルサイズセダンです。
全長1.8マイル(約2.9km)の「The Streets of Willow Springs」を1分25秒03で周回する速さで、ポルシェ「911」よりも速く、アストンマーティン「V12ヴァンテージS」と日産「GT-R」(R35型)の間に位置するレベルだそうです。
また、ホンダ「シビックSi Drift Car」も出展されました。こちらはドリフト走行により競われるモータースポーツ「フォーミュラドリフト」を戦うために、FFからFRに換装されたシビックで、ギャレット製GTX3584RSターボを装着し最高出力926HP/最大トルク752Ib-ftを発生するVTECエンジンに換装されたモンスターマシンです。
そして、日産は「グローバルタイムアタック TT 370Z」を公開。NISMOとZ1モータースポーツ(「370Z(日本名:フェアレディZ)」やGT-Rを中心に、日産車を幅広く対象とする米国の有名チューナー)の共同開発によって誕生した、タイムアタック仕様の日産370Zです。最高出力は750HPを誇ります。
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なぜ、ほかのモーターショーではできない過激な出展車両が、SEMAショーでは許されているのでしょうか。
今回、取材を進めるなかで、日本メーカーの関係者は「日本では、東京オートサロンでさえも、メーカーブースでこのような過激な車両の出展はできませんが、SEMAショーなら何でもできますね」とコメントしていました。
SEMAショーでは、自動車メーカーのブースに出展する車両であっても、ほとんどが北米の著名チューナーやビルダー、レーシングチームなどとのコラボ(または、完全委託)によって作られています。かなり過激なスペックを持つ展示車両がお披露目され、人気を集めます。
また、SEMAには毎年、最終日に出展車両がパレードランを行う「SEMA IGNITED CRUISE」というイベントがあり、毎年大人気となっています。なかには、ものすごい大音量で音楽を鳴らしながら走行したり、「鉄道用」ホーンを鳴らしながら巨大なピックアップトラックが走行したり、すごくうるさいのですが警察官も楽しそうに交通整理をしています。
どこかの国のように、改造車イベントのあとの会場周辺で、警察が不正改造車を一網打尽にするようなことは、おこなっていないように見受けられます(アメリカでも、著しい不正改造車は摘発されて改善命令が出されますが、SEMAショーの期間中は大目に見ているようです)。
各国のモーターショーを「静」とすればSEMAはライブ感、リアル感満載の「動」のイベント。来場者と出展者の距離が近く、また基本はクルマ関連のプロ向けトレードショーなので、熱狂的なクルマ好きしかいないのもSEMAショーの特徴といえるでしょう。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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