FFスポーツの頂点を極める! ルノー「メガーヌR.S.トロフィー」を筑波サーキットで試乗してみた

強化された「シャシーカップ」のおかげで安定して速く走ることが可能

 第1ヘアピンを過ぎ、右直角のL字コーナーを抜けると中速の左コーナーが続きます。ここでは普通のFFモデルだとパワーオンで外に膨らんでいくアンダーステアで苦労するところですが、メガーヌR.S.トロフィーは安定したまま、膨らまないで走ることができました。

「メガーヌR.S.トロフィー」と筆者のこもだきよし氏
「メガーヌR.S.トロフィー」と筆者のこもだきよし氏

 これはトロフィーに到着されている、「シャシーカップ」と呼ばれる強化したサスペンションとトルセンLSDによって、トラクションを上げると同時にライントレース性が高まった効果なのです。シャシーカップはノーマルのメガーヌR.S.に対して、フロントスプリング+23%、リヤスプリング+35%、ダンパー+25%、フロントアンチロールバー+7%、リヤアクスル+11%とそれぞれ強化されています。

 第2ヘアピンに向かってブレーキングを開始する時点では、150km/hオーバーまで加速しています。ここでのブレーキングも安定しているし、とてもしっかりしたフィールで安心感がありました。

 このコーナーは、立ち上がると約400mの直線が待っているので、立ち上がり重視のライン取りをおこないます。そして最終コーナーの入り口までは全開加速をしていきます。

 なお、走行モードでスポーツモード、レースモードを選択していると、床までアクセルペダルを踏んでいるとクルマが自動的にシフトアップしてくれません。アクセルペダルのキックダウンスイッチの手前までであれば自動的にシフトアップしてくれます。

 全開加速の結果、最終コーナー入り口では180km/h近くまでスピードが上がります。

 加速力は気持ちがいいし、エキゾーストパイプから聞こえる音も心地よいもの。アイドリングではボボボッと野太い音ですが、高回転まで引っ張ると迫力が出てきます。

 緩いブレーキングのあと、100Rと90Rの複合コーナーに飛び込みますが、出口に向けて無理なく曲がりながら脱出することができます。こうしたハイスピードコーナーでも、ドライバーの身体が安定してクルマを正確に操れる点は、レカロ製のバケットシートに大いに助けられていると思います。

※ ※ ※

 筆者(こもだきよし)は毎年、ニュルブルクリンクへ走りに行っていますが、筑波サーキットを走っただけでも、このメガーヌR.S.トロフィーならどんな走りをするのか想像がつき、実際にニュルブルクリンクも走ってみたくなりました。安定性の高さとライントレース性の高さとこのエンジンパワーによる速さは、ニュルブルクリンクでは武器になります。

 さらに、引き締まっているものの、しなやかさがあるサスペンションは、荒れた路面でも飛ばずに良い状態の接地性を保ってくれそうです。メガーヌR.S.トロフィーは、日本ではサーキットだけでなく、ワインディングロードでも十分楽しめそうなモデルです。

ルノー・スポールにはサーキットがよく似合う! メガーヌR.S.トロフィーを画像で見る(30枚)

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1件のコメント

  1. 新種のスポーツカーだ、いやそんな狭い括りで語れる存在などではなく「高性能実用車に新ジャンルを築く」エポックと言っても過言ではない、そう確信する。
    だからこそタウンユースにはいまいち硬めのサスペンションがもう少ししなやかなら100点満点と思うに惜しまれる。
    メガーヌRSとRSトロフィーの連合で「アウディA7 55TFSIやメルセデスCLS450辺り迄」なら対等の動力性能を持つのだから、ゴルフGTIに飽きたらぬ人間やゴルフRの「怪物のような高価格」についていけず尚且軽妙な身のこなしを求める欲張りマニア、前記3リッターターボから上のフルサイズセダンからのダウンサイザーに至る多様なユーザー層をどのように惹き付け、磁石のように虜にしていくか今後の活躍に期待したい。

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