フェラーリエンジンを搭載したマセラティがついに終了! グラントゥーリズモが12年もの長命だった理由とは?
2007年に登場したマセラティ「グラントゥーリズモ」、そして2009年に登場した「グランカブリオ」の生産がついに終了します。マセラティは、そのフィナーレを飾るにふさわしいマセラティ ブルーがグラデーションされた記念碑的モデル「グラントゥーリズモ ゼダ」を2019年11月12日に発表しました。ゼダのどこが特別な仕様になっているのでしょうか。また、グラントゥーリズモ/グランカブリオが長く生産されてきた秘密は何なのでしょうか。
旧き良きフェラーリサウンドを奏でる唯一無二の新車で買えるモデルだった
2007年のジュネーブ・モーターショーで発表された「グラントゥーリズモ」は、間違いなくマセラティ史に残る1台です。
デザインはピニンファリーナの手によるもので、美しい4人乗り2ドア・スポーツクーペのお手本のようなスタイリングです。1947年に登場したマセラティ「A6 1500」の現代的解釈のスタイリングをしていました。
2009年のフランクフルト・モーターショーではオープンカーである「グランカブリオ」が登場します。
その後、数回のアップデートを重ね、2018年モデルにおいて最終形となりました。
グラントゥーリズモ/グランカブリオが長きにわたって愛されてきた理由のひとつに、搭載されているエンジンがあります。最高出力460馬力/7000rpm、最大トルク520Nm/4750rpmを発生するエンジンは、4.7リッターのフェラーリ製自然吸気V型8気筒です。
ローンチ当時は4.2リッターだったフェラーリ製自然吸気V型8気筒エンジンは、その後に4.7リッターへとボアアップし、エンジンは2ラインナップでした。それが2018年のマイナーチェンジで4.7リッター1本に絞られた経緯があります。
当時、この4.2リッターと同じ流れを組むエンジンを搭載していたフェラーリは、2008年に登場した「カリフォルニア」でした。また、アルファロメオ「8Cコンペティツィオーネ」にも4.7リッターの同エンジンが搭載されていました。
カリフォルニアがエンジンをターボ化&ダウンサイジングして現在に至るのに対し、グラントゥーリズモ/グランカブリオは一貫して自然吸気エンジンを貫いてきました。エンジン回転数が高くなるにつれ甲高く透んだフェラーリサウンドを奏でる現行車は、もはやグラントゥーリズモ/グランカブリオしかなかったのです。
こうしたこともあって、グラントゥーリズモ/グランカブリオは熱狂的なファンに支持され、愛され続けてきました。
2007年の誕生以来、2万8805台のグラントゥーリズモ、1万1715台のグランカブリオがイタリア・モデナのファクトリーで生産されました。
次期グラントゥーリズモ/グランカブリオは、マセラティ史上初となる電気自動車となることが決定しています。そして生産はトリノでおこなわれることになっています。
モデナ工場は、新たなハイパフォーマンス・スポーツモデルの生産に向けて、生産ラインの全面的な改修が施されます。
刷新されたモデナ工場では、より環境負荷を減らし、革新的技術を採用した新たな塗装工場が増築されます。ここではカスタマーが、オーダーしたクルマの塗装プロセスを実際に見学できるようになります。
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