犬を車に乗せて事故に遭ったらどうなる? クルマ酔いや糞尿処理など注意したいこととは

犬を連れて出かけるとき、制限のある公共交通機関より、クルマが圧倒的に便利です。しかし、事故や愛犬の体調不良などの心配事もあります。犬をクルマに乗せるときに注意すべきこととは、どのようなことなのでしょうか。

犬をクルマに乗せるときはどうする?

 愛犬家にとって、犬は家族の一員です。クルマで一緒に外出できれば行動範囲がグッと広がり、愛犬との生活はより豊かなものになります。犬を連れてのレジャーはもちろん、動物病院などへの往来など、利便性だけを考えても、ぜひとも実現したいところです。

ペットがクルマに慣れていないとクルマ酔いすることがある
ペットがクルマに慣れていないとクルマ酔いすることがある

 しかし、クルマに犬を乗せて出かけるのは、楽しくて便利な一方で、愛犬の安全や体調面での心配があるのも事実です。

 クルマのなかで犬が暴れて怪我をしたり、酔ってしまったりなど、飼い主にとって悩みは尽きません。犬をクルマに乗せるときは、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。

 まず注意したいのは、犬がクルマに慣れていないとクルマ酔いをする可能性があるということです。愛犬が気持ち悪そうにしている姿を見るのは、飼い主にとっても辛いことです。また、吐瀉物の処理も大変なので、クルマ酔い対策は何としてもクリアしたいところです。

 都内の動物病院に勤務する獣医師は次のように話します。

「よくいわれていることですが、まずは犬をクルマに慣れさせることが大切です。最初は停車しているクルマのなかに一緒にいることから始め、慣れたら5分程度の短距離のドライブに行きます。そして徐々に距離、時間を伸ばしていくようにします」

 また、ドライブ前の食事については、次のように説明します。

「吐くことを避けるため、胃をカラッポにするために絶食させるというのは間違いで、空腹すぎても気分が悪くなります。犬は食べたものを消化するのにだいたい2時間から3時間かかるので、クルマに乗る3時間くらい前に食事を済ませるのが良いでしょう」

 残念ながら何度も練習しても体質的にどうしても酔ってしまう犬もいるとのことで、そういう場合は酔い止めの薬を利用するのも手だといいます。

「酔い止めを利用する手もありますが、薬にはいくつか種類があり、犬によっては向き不向きがあります。必ず獣医師に相談のうえ、処方してもらうようにしてください」

 次に気になる点は、糞尿についてです。ウンチやオシッコはクルマに乗せる前にさせるのが基本です。

 中長距離のドライブの場合は、1時間から2時間に一回程度、休憩も兼ねてクルマの外に連れ出して用を足させるのが良いでしょう。外の空気を吸うことでクルマ酔い対策にもなるので一石二鳥です。

 悩ましいのが、休憩先や目的地で排泄したウンチの処分ではないでしょうか。そのあたりに捨てずに持ち帰るのが基本ですが、ウンチが入った袋をクルマのなかに入れるには臭いの問題があります。

 たまに、リアワイパーなどにウンチの入った袋をぶら下げているクルマを見かけますが、走行中の振動や風圧で飛ばされてしまう可能性がありとても危険です。

 これは、道交法の乗車や積載について定める第五十五条から五十七条に抵触するのと同時に、過度な負荷がかかり、リアワイパーが破損する恐れがあります。

 そこで活用したいのが、ペットショップなどで販売されている臭いをシャットアウトする袋です。消臭効果のある袋に入れておけば、車内に置いてもまずウンチの存在を感じることはありません。

 それでもまだ気になるようでしたら、密閉できる容器のなかに入れて持ち帰ることをオススメします。

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