ミニバンに、あの「ランエボ」のエンジンを搭載!? 大パワーの旧車ミニバン3選
スポーツカーの心臓を持った2台のミニバン
●日産「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」230馬力
まだミニバンという呼び方がなかった1982年に日産「プレーリー」は登場しました。両側センターピラーレス構造のスライドドアや、トーションバー・スプリングを横置きにして超低床レイアウトを実現するなど、画期的でチャレンジングなクルマでした。
しかし、低い動力性能などからセールス的には成功せず、2代目以降は「ブルーバード」をベースにした普通のミニバンに生まれ変わりました。
2代目プレーリーのマイナーチェンジで、当時の日産の高性能エンジンである2リッター直列4気筒DOHCのSR20DE型にスイッチ。
1998年に登場した3代目では「アベニール」と共通のサスペンションやパワートレインにあらためられ、車名も「プレーリーリバティ」となり、純正エアロパーツ装着の「ハイウェイスター」も設定されました。
そして1999年、「ハイウェイスター4WD」に、当時「シルビアK’s」や「ブルーバードSSSターボ」に搭載されていた、日産の2リッタークラス最強のパワーユニットSR20DET型エンジンを搭載する「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」が登場しました。
最高出力230馬力/最大トルク28.0kgmのスペックを持つ2リッター4気筒DOHCターボエンジンは、シルビアのチューニングパーツが流用できたため、ターボのブーストアップなどにより簡単に260馬力程度まで出力を高められたといいます。
日産車好きからは熱い視線が向けられましたが、発表時に販売目標台数が月間200台と記されていたため、決して多くの台数が販売されたわけでなく、いまとなっては非常にレアなクルマになっています。
●三菱「シャリオ リゾートランナーGT」230馬力
1983年に発売された三菱「シャリオ」は、日産「プレーリー」と同様に2ボックスボディに3列シートを備えたミニバンの先駆けともいえるクルマでした。
デビュー時の駆動方式はFFのみでしたが、後にパートタイム4WDが追加され、その後にはビスカスカップリング式フルタイム4WDへと進化。国内仕様の「ランサーターボ」と同じ1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載したモデルも存在しました。
1991年には「RVR」と主要コンポーネンツを共有する兄弟車となった2代目シャリオが登場。多彩なシートアレンジなど使い勝手の良さや、ミニバンという呼び名が定着しはじめたこともあり、日常でシャリオを目にすることが増えました。
1995年には、ハイルーフに前席チルトアップガラスルーフを備えた「リゾートランナーシリーズ」に、当時の三菱車で最もスポーティなパワーユニットだった「ランサーエボリューション」と同じ2リッター直列4気筒DOHCインタークーラーターボの4G63型エンジンを搭載した「リゾートランナーGT」が追加ラインナップされました。
最高出力230馬力/最大トルク29.5kgm(5MT車)のスペックは、ランサーエボリューションよりはマイルドでしたが、ミニバンとは思えない鋭い加速を見せてくれました。
このクルマも販売数は多くなかったため非常に稀少な存在で、いまでは滅多に見かけることはありません。
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今回、紹介したプレーリーリバティやシャリオのようなクルマは、ミニバンが成長過程にあった時代のものです。
本来、ミニバンに必要以上の動力性能はいらないのですが、こんなマニアックなミニバンが、かつては存在していまいた。
それだけ、メーカーも余裕があったということではないでしょうか。
ミニバンではないがキャラバンコーチにVG30Eやら救急車のハイエースには1UZとかあったしね。
RVRにも「ハイパースポーツギヤ」というグレードが設定されていて中身はランエボでしたよ。