SUVの3列目は本当に必要? ミニバンに劣るも3列シートSUVが存在する理由とは
ミニバンは多人数乗車や積載性などで人気なジャンルです。また、近年では悪路走破性を意識したSUVも人気のジャンルとして定着しています。そんななか、両車の良い部分を併せ持つのが3列シートSUVですが、積載性や悪路走破性を考えると中途半端な存在になります。なぜ各メーカーは3列シートSUVを設定しているのでしょうか。
全車3列シートのCX-8と異なる乗車人数を持つアウトランダーの誕生理由とは
ミニバンは多人数乗車や積載性などで人気のジャンルです。また、近年ではオンロードでの走行性能を意識したSUVも人気のジャンルとして定着しています。
そんななか、両車の良い部分を併せ持つ3列シートSUVですが、居住性や悪路走破性を考えるとミニバンや2列シートのSUVと比べて、中途半端な存在になります。なぜ各メーカーは3列シートSUVを設定しているのでしょうか。
国産SUVにおいて3列シートを備えるモデルは、トヨタ「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」、ホンダ「CR-V(ガソリン車)」、日産「エクストレイル(ガソリン車)」、三菱「アウトランダー(ガソリン車)」、マツダ「CX-8」となっています。
そのなかで、CX-8は唯一全車3列シートを設定しており、グレードによって2列目がキャプテンシートまたはベンチシートを選ぶことが可能です。
マツダ以外では、基本的にガソリン車で3列シートを設定していることが多く、ハイブリッド車(PHEV車含む)ではバッテリーなどの配置場所の関係で2列シートになっています。
ファミリーカーとして人気上位のミニバンは、四角いボディとスライドドアで、居住性と乗降性に優れています。その反面、背の高いボディ形状は、走りの面では必ずしも快適とはいえません。
3列シートを備えるSUVは、居住性では「ミニバン」にかないませんが、悪路も走れる機動力や剛性の高いボディのおかげで走破性は抜群です。
しかし、それでもあえて2列シート仕様と3列シート仕様を設定するほどのメリットはあるのでしょうか。
全車に3列シートを備えるCX-8をラインナップするマツダは、かつてミニバンモデルとして「プレマシー」、「ビアンテ」、「MPV」といったミニバンモデルを設定していましたが、2017年12月のCX-8発表前には続々と国内市場から姿を消し、マツダのミニバンは無くなりました。
CX-8の発表時にマツダは、「CX-8は、マツダらしい走りやデザイン・質感を備えながら、3列目まで大人がしっかり座れるパッケージングを実現した新型クロスオーバーSUVであり、多人数乗車とともに上質さをお求めになるお客さまへ向けた、マツダの新しい提案です」と説明しています。
また、マツダの販売店スタッフはユーザーからの反響について、次のように話します。
「お客さまからは『デザインがよく家族も乗れる』『インテリア空間が上質で、後席の座り心地も良い』『シートを倒せば長い物が積め、趣味も楽しめるSUVで嬉しい』など、魂動デザインをまとった洗練されたSUVスタイルと多人数乗車・ユーティリティの両立に多くのお客さまからご共感をいただくとともに、30歳代から40歳代のお客さまを中心に、幅広い層のお客さまにお選びいただいています」
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マツダとしては、ミニバンを廃止する代わりにマツダブランドを底上げする上質な3列SUVをラインナップしたことになります。では、ほかのメーカーが3列シートSUVを設定する理由とはなんなのでしょうか。
アウトランダー(3列シート)とアウトランダーPHEV(2列シート)をラインナップする三菱は次のように話します。
「2005年に登場した初代アウトランダーでは、2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りが設定されていました。当時は、SUVに求めるものとして悪路走破性重視から使い勝手や機能性を重視するトレンドに代わりつつあったこともあり、3列シートを設定したと聞いています。
その後、2012年に2代目モデルにフルモデルチェンジした際に、ガソリン車を3列シートのみとして、後から登場したPHEV仕様を2列シートだけで展開し、今に至ります」
記事に、RXが入っていないのが不思議なんだけど。
欧州車が大型SUVを米国に入れるに当たり、3列シートモデルを準備して、それがあたった。よって、日本のメーカーも3列シートモデルを準備している。で、RXなどは、新たなボデー形状を途中で追加してまで3列シートモデルを準備せざるを得なかった。軽めのデザインが重たくなった気がして残念。