なぜ開発にGOサインが出た!? 存在理由が難解すぎる車5選
唯一無二! ロータリーエンジンを搭載した意外なクルマとは
●ホンダ「インテグラSJ」
ホンダ「インテグラ」といえば「タイプR」に代表されるスポーティなモデルが思い浮かびますが、1996年に発売された「インテグラSJ」はそれとは真逆なモデルです。
同時期に販売されていた「シビックフェリオ」をベースとしていて、外装もほぼシビックフェリオのままで、フロントマスクは、ステーションワゴンの「オルティア」から流用するという、かなり安直な作りでした。
エンジンは4気筒1.5リッターのみで、VTECとスタンダードの2種類をラインナップ。トランスミッションは5速MTとCVT、4速ATが用意され、3グレードの展開。
インテグラSJのコンセプトは「フォーマルなセダン」でしたが、とにかく中途半端な印象しかありません。実際は、当時の販売チャネル「ベルノ店」が販売するラインナップの隙間を埋める目的があったのでしょう。
シビックフェリオの存在があったため、インテグラSJは当然ながら販売は低迷して4年で販売を終了し、いまではホンダでもトップクラスの珍車です。
●マツダ「パークウェイロータリー26」
現在、マツダの自社製品で商用車は「ボンゴ」のみですが、元々は3輪トラックの製造からスタートしていたからか、かつてはさまざまな商用車を作っていました。
例えば1972年には、より豪華なマイクロバスを求めるニーズに対応して「パークウェイ26」が発売されます。
外観はモダンなスタイルとなっており、室内も快適なシートを配した26人乗り(13人乗りもあり)で、ラジオや3段切り替えの強力ヒーターを標準装備し、ソフトな天井トリムを採用するなど、広く高級感のある室内のマイクロバスでした。
そして、1974年には世界初のロータリーエンジンを搭載したマイクロバス「パークウェイロータリー26」がラインナップに加わります。
「ルーチェAPグランツーリスモ」と共通の654cc×2ローター13B型低公害ロータリーエンジンは、最高出力135馬力を発揮。車重2800kg以上ある巨大な車体を、最高120km/hで走らせることが可能でした。
ロータリーエンジンならではの優れた静粛性と低振動は、かなりの高評価を得たといいます。さらに、当時の国内の排出ガス規制値を大幅に下回る優れた環境性能も発揮していました。
しかし、燃費はディーゼルエンジンに比べると相当に悪く商用には向かず、生産期間は2年と短命に終わりました。その後、1982年に2代目パークウェイが登場しますが、エンジンはディーゼルのみで、1995年に販売を終了するとマツダはマイクロバスの製造から撤退します。
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今回、紹介した5車種はどれもユニークですが、販売に成功したとはいえないモデルばかりです。
いまの自動車メーカーは、さまざまな面で成熟しているので、近年は失敗作といわれるクルマは、ほぼ無くなりました。
その反面、遊び心のあるデザインや性能的に冒険するクルマが少ないのも、ちょっと残念に思います。
テスト試販車でしょ。また未開拓ジャンルだと一定量売れる公算があるから、低コスト改造車として発売するんでしょ。それにしてもマークX生産中止は驚いた。