秋の夕暮れは重大な事故が発生しがち!? 事故の原因や気をつけたいポイントとは
秋の行楽シーズンが到来しましたが、秋になると重大な交通事故が増える傾向があります。しかも重大な交通事故は夕暮れどきに集中しているといいます。これは、夏とは違う秋特有の道路状況や気象状況がかなり影響しているのですが、それはどのようなことなのでしょうか。
秋の事故原因は気象条件が影響している?
クルマの安全技術の進化により、交通事故は年々減少傾向にありますが、秋になると重大な交通事故が増え、また、死者が発生するほどの重大な事故になりやすいといいます。
なぜ、秋に交通事故が発生しやすくなるのでしょうか。
秋に交通事故が急増する理由は、気象条件が大きく影響しています。日照時間が長かった夏と比較すると、秋の太陽は低く日差しが乱反射しやすくなり、いつもよりまぶしさを感じて道路状況を確認しづらくなります。
たとえば7月上旬では、19時ごろの日没までゆっくりと夜になっていきますが、10月下旬は17時半ごろに日没を迎えます。夏と比べると、1時間半も早く夜になり、この時間帯に集中して発生しています。
寒くなると、歩行者の服装も暗めのカラーが増えることで、ドライバーからの視認性が低下することも指摘されています。
また、歩行者側からも、薄暗い夕暮れどきはクルマとの距離を把握しにくくなるようです。そのため、対向車線のクルマとの距離を考えずに無理な横断をする歩行者(とくに高齢者などが多いようです)が増える傾向にあります。
さらに、日没前後の16時から18時の時間帯は、学校や会社からの帰宅ラッシュと重なり、交通量が増えるタイミングです。帰宅時ということもあって、疲れていたり集中力も低下するため、クルマに対する意識が低下してしまうことも指摘されています。
そして山間部や盆地だけでなく内陸部でも、秋は濃霧が発生しやすい季節です。昼間は晴天でも急変する可能性が高いといわれています。
さまざまな要因が重なって秋は事故が発生しやすくなるのですが、運転するときの注意点を日本自動車連盟(JAF)東京支部の高木氏に聞きました。
●ヘッドライトの点灯は早めに
「秋や冬の夕暮れどきは、あっという間に暗くなってヘッドライトの点灯タイミングが遅れがちです。
JAFでは、照度が低下するといわれる日没30分前からヘッドライトの点灯を呼びかけています。早めの点灯で歩行者や周囲のクルマからも自分(クルマ)の存在を認識してもらいやすくなります。
最近はオートライトが普及していますが、任せっきりにするのではなく、薄暗い曇りの日などは手動で点灯してください」
●昼の走行より速度を落とし気味に
「夕暮れどきは昼間と比較して周囲するべきポイントの確認がしにくくなります。そこで、速度を落として走行することで、事故のリスクが高い対象物をしっかり確認しやすくなるのです。
また、明るい街灯にも注意が必要です。街灯はクルマのヘッドライトを吸収し、対向車などの発見を遅らせることがあるので、速度を抑制して確認を怠らない運転が必要です」
●クルマの右側前方にも注意して走行を
「秋の夕暮れは景色が美しく、つい見とれてしまいますが、明るい空を眺めたあとに路上に視線を落とすと真っ暗に感じられ、意外なほど見えづらくなるものです。
また、多くのドライバーが、対向車のヘッドライトに眩惑されないように、無意識に右側に視線を向けないようにしています。
しかし、対向車が通過したあとに、道路を横断しようとしている歩行者や自転車が出てくる可能性もあるので、右側にも注意して走行いただければと思います」
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秋は日没の早まりや天候の急変により、周囲への視認性が大幅に低下することが多いです。とくに老眼がはじまるといわれる40代以上は、反応速度と動体視力も低下するといわれています。
早めにヘッドライト点灯し、速度を抑えて安全運転を心掛けたいです。
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