ランクルやセンチュリーの防弾車? 国賓や要人の命を守る国産防弾車の実力とは
防弾センチュリーの中古車が存在?
重装甲乗用車は地域によって装甲レベルの設定が選べ、前述した軽装甲乗用車に加えて、さらなる装甲を施している「重装甲乗用車」もラインナップされています。
セキュリコの重装甲乗用車は、レクサスのLSをベースにした「ARMORED LEXUS」とメルセデス・ベンツ「Sクラス」をベースにした「ARMORED BENZ」や、ランドクルーザーとメルセデス・ベンツ「Gクラス」をベースにした重装甲4WD車もあります。
防弾レベルはそれぞれ、「B6 防弾レベル(紛争地向け)」と「B4 防弾レベル(北米や日本、台湾、西欧など比較的治安の良い地域向け)」の2種類を設定。
ARMORED LEXUSの見た目や室内加飾は、既存のLSと変わりません。オプションも豊富に用意されており、カーセキュリティシステムから、ストロボ灯・電子サイレン(異常発生を周囲に知らせ、緊急脱出等に利用)、 マイク・スピーカー(不用意に下車せず、スピーカーで外部に連絡)、自動消火システムなどの架装が可能です。
さまざまな地域や条件下で、乗務員の安全を守る防弾車の価格はどのくらいするのでしょうか。高級なベース車両を使用しているため、それらに最高級の装備を加えると数千万円くらいにはなりそうです。
しかし、「まさか中古車で出ていたりしないよね?」と思って調べてみたら、なんと中古の防弾センチュリーを発見しました。車両は2003年式で、走行距離は22万km。防弾仕様になっており、値段は車両本体価格100万円です。
中古の防弾車を販売しているキャル・ベースの春日部ベース店は、次のように話します。
「最初は、委託販売をしていてそのときの価格は400万円でした。ですがまったく売れずもう1年以上たちました。いまは、どんどん値段を下げて100万円まで下げています。オーナーは3人くらい代わっていて、以前のオーナーは政治家から譲り受けたそうです。
装甲のための費用は400万円だったといいます。フロントガラスを含むすべての窓が厚さ10cm程度の樹脂板になっており大変重く、後部のドアにはオートクロージャ―がついていますが、窓もドアも重いためその機構がうまく作動せずドアが閉まりにくいことがあります。
全体的な不具合といえばその程度です。扱いを軽くしたければ。防弾仕様になっているアクリル窓(鉄枠ではまっている)を外せば問題ありません。重量が増えているので車検証の数字も変更されています」
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国産最後のV12エンジン(1GZ-FE型)を搭載した防弾センチュリーが100万円という価格で販売されていました。最近では、北米でも右ハンドルセンチュリーの人気が高まっており、2003年式であればカナダの15年ルールでそのまま輸入・登録も可能のため、海外でも人気を集めそうなモデルです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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