小排気量の新車が増加! その裏で消えた激レア大排気量車はどんなクルマだった?

近年、エンジンのダウンサイジング化が身近な乗用車でも進んでいる一方で、かつてはボディサイズに対して排気量の大きなエンジンを搭載するクルマも存在しました。当時といまの違いはなんでしょうか。

5ナンバーボディに2.4リッターエンジンを搭載! どんなクルマだった?

 近年、新型車に搭載されるエンジンにおいて、環境にも配慮した「ダウンサイジングターボ」と呼ばれる種類のエンジンが搭載されることが増えています。メーカーによっては、車種ラインナップにおいて定番化しつつある場合もあります。

 一方、過去に発売されたクルマのなかには、ボディサイズに対して過剰に大きい排気量のエンジンを搭載したモデルも存在したというのですが、当時といまでは何が違うのでしょうか。

1.5リッターダウンサイジングターボエンジンが搭載されたホンダ「シビックハッチバック」
1.5リッターダウンサイジングターボエンジンが搭載されたホンダ「シビックハッチバック」

 国産メーカーの車種でも採用例が徐々に増加してきたダウンサイジングターボエンジンの狙いは、小排気量化しつつターボチャージャーやスーパーチャージャーを装着することによって、大排気量エンジン並みのパワーを維持して低燃費を実現するというものです。

 2000年代にフォルクスワーゲンがダウンサイジング(小排気量化)をおこなったTSIエンジンを投入し、世界中の自動車メーカーから注目が集まりました。

 TSIエンジンは登場直後はターボチャージャーとスーパーチャージャーのふたつを搭載した「ツインチャージャー」で登場したものの、その後ターボチャージャーのみとなり低コスト化。現在では「ゴルフ」をはじめとするフォルクスワーゲンのさまざまなモデルに搭載されています。

 その後、欧州ではさまざまな自動車メーカーが追随。現在では、全長5mに迫るメルセデス・ベンツの上級モデル「Eクラス」にも、1.5リッターターボエンジンが採用されている事例があります。

 エンジンの小排気量化は日本にも波及し、現在はスバルが「レヴォーグ」に採用している例や、ホンダが「シビック」や「ステップワゴン」に搭載している例があります。

 また、日産の人気コンパクトカー「ノート」は、エンジンで発電してモーターで駆動する「e-POWER」というパワートレインで知られていますが、じつはスーパーチャージャーを搭載した1.2リッターダウンサイジングエンジンを搭載したグレードも用意されています。

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 現在、身近な乗用車において小排気量化(ダウンサイジング)する例がある一方で、かつては高負荷時の動力性能の確保を目的とした大排気量エンジンを搭載した仕様を、上級グレードに用意しているクルマもいくつか存在しました。

 突出した例のひとつとしては、日産9代目「ブルーバード」へ1993年に追加設定された2.4リッターエンジン搭載グレード「SSS-Z」および「ARXスーパーツーリングZ」が挙げられます。

 ブルーバードも含めて、5ナンバーサイズのボディを持つクルマの場合、当時でも2リッター以下のエンジンが搭載されることが多かったのですが、このグレードではボディの拡大などはとくにおこなわず大排気量のエンジンを搭載。日本の税制では自動車税の支払額が高くなるものの、それを厭わずにGT性能を高めたグレードとなっていました。

 また、2006年に発売されたトヨタ「ブレイド」も、通常モデルが2.4リッターエンジン、2007年に追加されたグレード「マスター」および「マスターG」ではV型6気筒の3.5リッターエンジンが搭載されていました。ブレイドは全長4260mm×全幅1760mmの3ナンバーボディでしたが、車格に対して贅沢だったことは間違いありません。

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 小型ボディの大排気量車が減少した理由としては、人々の環境意識の変化があります。

 ダウンサイジングエンジンの旗振り役であるフォルクスワーゲンの代表モデル「ゴルフ」にも、かつて「R32」という大排気量の自然吸気V型エンジンを搭載したスポーツモデルがありましたが、現在設定される実質的な後継グレードの「R」は排気量が縮小され、2リッターターボエンジンが搭載されています。

 また日本においては自動車税の税額変更という背景もあります。2019年10月1日に変更された新しい自動車税の設定額では、小排気量車への減額度合いが強く、逆に大排気量になるほど減額されない仕組みです。今後ますます大排気量車が減る可能性は高いといえるでしょう。

 新車・中古車問わず、大排気量エンジンの余裕ある走りを楽しむなら、いましかないのかもしれません。

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