「オッサングルマ」なんて呼ばせない! バブル期に登場した、イカシた4ドアセダン5選

ランティスにギャランVR-4、カリーナED・・・懐かしいバブル期セダン

●マツダ「ランティス」

 マツダ「ランティス」は、1993年に登場した4ドアセダン、および4ドアクーペです。

マツダ・ランティス4ドアクーペ2.0タイプR
マツダ・ランティス4ドアクーペ2.0タイプR

 ランティス専用の「CBプラットフォーム」を用いたボディは、全長4245mm(クーペ)4490mm(セダン)×全幅1695mm×全高1355mmと、Cセグメント相当の5ナンバーモデルでした。

 リトラクタブルヘッドライトを採用したマツダ「ファミリアアスティナ」、その兄弟モデルである「ユーノス100」の実質的な後継モデルとして登場。海外ではランティス名ではなく、「323F」「323 Astina」として販売されていました。

 搭載エンジンは1.8リッター直列4気筒と、2リッターV型6気筒の2種類。トランスミッションは4速AT、および5速MTが組み合わされました。クーペボディに170馬力のV型6気筒エンジンを搭載する「タイプR」はスポーティな走りで、モータージャーナリストや自動車雑誌などからは好評でしたが、実際の販売はランティス全体で低調でした。

 バブル期に開発されたため、走りだけでなく室内の質感も良いクルマでしたが、発売された時期がバブル崩壊後だったため、悲運の1台といえます。

 1994年からはじまったFIAクラスII、新生全日本ツーリングカー選手権(JTCC)にマツダはこのランティスで参戦。

 JTCCは4座4枚ドアの量産車で、かつ2リッター以下の自然吸気エンジン、という規定があり、ライバルメーカーが直列4気筒エンジンモデルで参戦するなか、V型6気筒を搭載するランティスは注目されましたが、FFの日産「プリメーラ」、トヨタ「カローラ」「コロナ」、ホンダ「シビック」勢だけでなく、重量ハンデを負ったFRのBMW「318i」勢にも及びませんでした。

 ●トヨタ・2代目「カリーナED」「コロナエクシヴ」

 カリーナEDは、1985年に登場した4ドアハードトップモデルです。量産4ドア車としては当時世界でもっとも低い車高(1310mm)のスタイリッシュなモデルでした。

 2代目カリーナEDは、1989年に9月にフルモデルチェンジをして登場しました。

 大ヒットした先代同様、低い車高の4ドアピラーレスハードトップスタイルを継承。ベースとなるセリカとともに、ドライバーが「スポーツ」と「ノーマル」の操舵特性を選択できる、デュアルモード4WS(電子制御4輪操舵)を採用、さらに世界初のメカニカルセンシングSRSエアバッグを装備するなど、意欲的なモデルでした。

 このモデルの姉妹車として「コロナ EXiV(エクシヴ)」も登場、カリーナEDはトヨタ店、コロナ エクシヴはトヨペット店で販売されました。

 この2代目カリーナEDの販売は好調でしたが、1993年にフルモデルチェンジして登場した3代目は、バブル崩壊や4ドアハードトップブームの陰りもあって人気は低迷、1998年に販売を終了しました。

●三菱・6代目「ギャラン」

 三菱の6代目「ギャラン」は、1987年10月に登場した4ドアセダンです。

「インディビデュアル4ドア」というコンセプトで登場した6代目「E30系」ギャランは、従来のギャランについていたサブネーム「Σ(シグマ)」が車名からなくなりました。

 1.6リッターから2リッターまで、全部で5種類のエンジンバリエーションがありましたが、注目されたのは最上級グレード「VR-4」に搭載された2リッター直列4気筒インタークーラーターボエンジンです。最高出力205馬力(のちにマイナーチェンジで220馬力/240馬力にパワーアップ)、最大トルク30kgmを発生、当時の直列4気筒エンジンのなかで最強のスペックでした。

 この「4G63ターボ」エンジン、および4WDシステムはランサーエボリューションシリーズに受け継がれます。

 VR-4にはビスカスカップリング式フルタイム4WDを採用、さらに全油圧制御式車速・操舵力完納型の4輪操舵システム(4WS)が装着されました。このギャランVR-4は、日本車ハイパワー4WDの元祖ともいえるモデルでした。

 変わり種としては、「ギャランAMG」がありました。いまは「メルセデスAMG」としてメーカーのブランドになっているAMGですが、当時はドイツの独立系チューナーで、三菱と業務提携をおこなっていました。

 ギャランAMGは、4G63自然吸気エンジンをベースにAMGがチューンナップを施したモデルでした。AMGとの業務提携で生まれたモデルは、このギャランAMGのほかに「デボネアAMG」があります。

 1992年にギャランは7代目にフルモデルチェンジされます。その後、セダンの低迷期に入り、日本では1996年にフルモデルチェンジされた8代目をもって、2005年12月に「ギャラン」という車名が消えました。

※ ※ ※

 一見、オーソドックスな形をしたコンサバティブな4ドアセダンですが、バブル時代には「ヨーロッパ車に追いつけ追い越せ」とばかりに、惜しみなく開発費を投入した結果、かつてない出来のモデルが次々と登場し、その後の日本車の礎となりました。

 バブル期に登場したモデルは、登場からすでに30年ほど経ったものもあり、2019年現在、程度の良い中古車を見つけるのは、当然ながら難しくなっています。

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5件のコメント

  1. 記事のカリーナEDは3代目なのでは?

    • 画像見た限り2代目で合ってるかと。
      (3代目兄弟車のカレンに乗ってたなぁ)

  2. 4AG積んだカローラGTってのがあったなあ。
    見た目普通のファミリーセダンなのだか、加速もコーナリングも見た目の上を行っていた。

  3. セド、グロのグランツーリスモの黒色、当時、フォーマルーの黒色が此の車で一躍世間に広まる切っ掛けとなる。功績は大です。

  4. 若い頃 整備士やってたのですが、そこに入庫してきた ギャランが 衝撃的でした。「VR-4かぁ」と外見で思ったのですが エンジンを掛けると…ガラガラと独特の音が!ディーゼルの「なんちゃってVR-4」でした(笑)確かに よく見ると アルミホイールの隙間から見えるリアブレーキはドラムだし…それ以外の外装は完璧だっただけに惜しかった!

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