なぜ日本市場は後回し? スバルが新型「レガシィ」を北米優先で発売するのか
スバル「レガシィ」は、2019年7月に北米で7代目モデルの生産が開始されましたが、日本では6代目を一部改良して継続販売することになります。スバルの主力モデルであるレガシィは、なぜ北米優先で販売されることになったのでしょうか。
なぜ新型「レガシィ」は北米が優先されるのか?
現在のスバル車では、SUVの「フォレスター」や「XV」の人気が高いですが、伝統ある主力車種といえば「レガシィ」でしょう。
現行レガシィでは、「ツーリングワゴン」が廃止されて後継車種の「レヴォーグ」に切り替わりましたが、SUV風の「アウトバック」とセダンの「B4」は健在です。
そしてフルモデルチェンジを受けた7代目となる新型レガシィの生産が、2019年7月に北米で開始され、2019年秋に発売されます。新しいプラットフォームを採用して、走行安定性と乗り心地を向上させています。
安全装備も進化して、ドライバーの状態をチェックできるドライバーモニタリングシステムなども採用しました。このニュースを聞いて、新型レガシィを買おうと考えた人もいるでしょう。
ところが日本では、2019年9月にレガシィの一部改良が発表され、11月より発売されるといいます。数か月遅れでも北米と同じ新型にフルモデルチェンジするなら理解できますが、日本は一部改良ですから、今後も従来型を売り続けるということです。
今回の一部改良の内容は、新しいグレードやボディカラーの追加、アウトバックは走破力を高める「Xモード」の改良など多岐にわたります。そうなると、少なくとも1年間はフルモデルチェンジをおこなわずに従来型を売ることになります。
なぜ北米で新型レガシィを発売しながら、日本では改良を施した従来型を売るのでしょうか。
スバルの関係者に尋ねると、次のように説明しています。
「従来型のレガシィは、北米と日本でほぼ同時にフルモデルチェンジをおこなってきましたが、今回は時間差が生じます。
同じレガシィでも、北米仕様は北米を中心に原材料やパーツなどの調達をおこない、日本仕様はすべて日本が中心です。つまり同じ車種でも、開発や生産の状況が違うわけです。
また、レガシィの北米仕様と日本仕様では設計の異なる点も多く、日本は北米に比べて遅れて発売されることになります」
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日本と北米でほぼ同時に発売するには、右/左ハンドル仕様なども含めて、開発も並行して進める必要があります。その分だけ発売されるまでに時間を要しますが、北米仕様を重点的に開発すれば、北米に関しては先行して発売できます。
つまりレガシィに関して、スバルは北米を優先させて、日本は後まわしにされたわけです。
また、レガシィツーリングワゴンの後継として発売されたレヴォーグも、2020年には2世代目にフルモデルチェンジされる予定です。もはやレガシィは日本の主力車種の役割を終えて、海外中心の商品になり、国内との決別宣言が日本における従来型の継続販売とも受け取られるでしょう。
日本のクルマ好きにとっては寂しい話で、歴代レガシィを乗り続けたファンは怒るかも知れません。
あのスキンヘッドのアメリカ俳優がCM出演した頃のレガシィーとは別物だな!
水平対向のヘッドの低さを利用してエンジンルームにスペアタイヤを収納してたスバル1000が懐かしい