日産「GT-R」をなぜ学生がデザイン? 次期型モデルになる可能性も
「専門学校HAL」は、学生が日産「GT-R」の次期型モデルのデザインをおこなう「次期型GT-Rデザインプロジェクト」の優秀作品が決定したと発表しました。学生たちはどのようなGT-Rをデザインしたのでしょうか。
スペースシャトルがヒント!? 学生デザインの新たな「GT-R」
学校法人日本教育財団が運営する「専門学校HAL」は、日産との産学連携としておこなわれていた「次期型GT-Rデザインプロジェクト」が完結し、最優秀作品が決定したと発表しました。
同プロジェクトは、日産のフラッグシップスポーツカー「GT-R」の次期型モデルを学生たちがデザインし、日産に提案をおこなうというものです。数ある提案のなかから、プロデザイナーの審査を経て、どのようなデザインのGT-Rが1位を獲得したのでしょうか。
次期型GT-Rデザインプロジェクトは、100年に1度といわれるモビリティ環境の変革期のなかで「GT-Rは次世代ユーザーに何を伝えられるか?」というテーマの元でおこなわれました。
日産テクニカルセンターでおこなわれた最終プレゼンテーションには、同社のグローバルデザイン本部エグゼクティブ・デザイン・ダイレクターの田井悟氏や、ジェネラル・マネージャーの大月圭介氏、さらに現役のデザイナーも参加。学生たちは渾身の作品を提案しました。
今回は、そのなかから優秀5作品が選ばれ、そして5つのなかから第1位を新野宏樹さんの作品「the velocity」が獲得しました。
新野さんは自身の作品について、次のようにコメントしています。
「GT-Rの特長である『速さ』を表現するため、最速の乗り物の象徴であるル・マンカーやスペースシャトルなどからヒントを得てデザインしました。最終段階で鋭い指摘をいただき、一からやり直した結果、納得がいく作品ができました。自分でも驚くほど情熱を込めて取り組むことができ、非常に楽しかったです」
この作品に対して、「従来のカーデザインのメソッドに抗うような新鮮なアプローチ。枠を外れているのに魅力がある、ぶっきらぼうだけどロマンティックで絶妙なバランス感があります。『今までにないGT-R』が求められた今回のプロジェクトにおいて、もっともワクワク感があり1位に選びました」という講評がされています。
そのほかの優秀作品には、岡田泰知さんの「VARY」(第2位)、田原一鳴さんの「金剛力」(第3位)、董昊さんの「INVINCIBILITY/WARRIOR」(第4位)、天野雄太さんの「SILENT DYNAMICS」(第5位)が選ばれました。
今回のプロジェクトについて、田井悟氏は、「我々も常にGT-Rをどう進化させていくべきかを考えています。歴史的に見てもGT-Rは絶えず人々の想像を上回る存在であったし、これからもそうでなければなりません。
今回、我々とまったく異なる発想の提案があり、興味深く拝見させていただきました。是非今後の参考にしたいです」とコメントしています。
また、大月圭介氏は、「GT-Rは日産のアイコン。ヨーロッパへの反骨精神の気概があるクルマなので、いわゆるヨーロッパ的な自動車の美とは違ったアプローチであってほしいです。
発想の方法や制作の過程、最終の作品から、GT-Rのコアを感じられるものを上位に選ばせていただきました」とコメントしました。
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GT-Rは、過去にもイタリアのデザイン会社「イタルデザイン」によって自由なデザインが施された仕様「NISSAN GT-R50 by イタルデザイン」が2018年に発表されたことがあるなど、デザイン業界からも注目される存在です。
本物の次期型GT-Rはどのようなデザインをまとい、いつ頃に登場するのでしょうか。日産からの発表が待たれます。
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