「プリウスミサイル」なんて風評被害に負けない! トヨタ「プリウス」はなぜここまで人気なのか
トヨタ「プリウス」の人気がとどまる所を知りません。2019年4月に発生した通称「池袋暴走事故」では、運転していたクルマがプリウスだったことや、その後の類似事故でもプリウスが多かったことなどもあり、「プリウスミサイル」という風評被害を受けました。しかし、プリウスの販売台数は低迷することもなく高い人気を維持しています。いったい、なぜここまで人気なのでしょうか。
風評被害にも負けない! プリウスが人気の理由とは
トヨタを代表するモデルとして、日本のみならず世界でも人気の高い「プリウス」。1997年に登場した初代モデルから22年絶ち、4代目となったいまでも圧倒的な新車販売台数を誇ります。
しかし、多発する高齢ドライバーの暴走事故で乗っていたクルマがプリウスだったこともあり、インターネット上では「プリウスミサイル」という表現をされるなど、風評被害を受けているようです。
それでも、プリウスの販売台数は好調で登録車においては常に売れ筋モデルとなっていますが、なぜこれほどまでに人気が高いのでしょうか。
現行モデルとなる4代目プリウスは、2015年に登場しますが、「歌舞伎顔」ともいわれる垂れ下がったヘッドライトやテールライトのデザインなどについて、日本のユーザーからは不評が相次ぐ結果となりました。
それでも、軽自動車を除く新車販売台数では、2017年に16万912台で首位に輝き、2018年には、11万5462台となり、首位「ノート」と2位「アクア」に続く3位と人気のモデルです。
そんななか、2019年4月19日に東京都豊島区東池袋で発生した事故によって、プリウスは突如「危ないクルマ」というイメージを与える報道やSNSの投稿が広まりました。
これには、池袋の事故やそれ以降にあった高齢ドライバーの事故のクルマがプリウスだったことなどによるものですが、販売現場ではどのような影響があったのでしょうか。
都内のトヨタ販売店のスタッフは次のように話します。
「事件の報道があったあと、来店されるお客さまのなかにはブレーキに関する質問をされる人はいましたが、ほとんどの購入者は気にされていないようでした。ただし、以前よりは安全機能などに興味を持つ人が増えた印象を受けました」
実際、風評被害となるような情報は出回ったものの、2019年4月の新車販売台数(登録車)は、不動の1位だったノートを破りプリウスが約16ヶ月ぶりに首位の座を奪還。同年の上半期(1月から6月)でも他車を抜いて首位になっています。
従来、そのクルマに関するマイナスな情報が出た場合、販売台数への悪影響が予想できました。しかし、プリウスにはあまり影響がなかったようです。
なぜここまでの人気を誇るのか、プリウスのユーザー層や人気の理由についてトヨタは次のように説明します。
――プリウスのユーザー層を教えてください。
具体的なプリウスのユーザー層はお教えできないのですが、プリウスを購入する65歳以上のシニア層は、全体の約36%を占めています。65歳以上の人の購入比率が高いクルマはプリウスのほかにも存在しますが、購入台数でいえばプリウスが最多です。
――シニア層高齢者に人気の理由はなんでしょうか。
プリウスは、シニア層だけでなく幅広い年齢層に人気があるクルマです。人気の理由としては、「燃費の良さ」「サイズ感」「運転のしやすさ」「一番売れているクルマ」であると考えています。
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また、前出の販売店スタッフは、売れている理由について、「2018年12月のマイナーチェンジで、前後のデザイン変更と『トヨタセーフティセンス』を全車標準したことが、人気に拍車を掛けています。デザインはクルマを選ぶ上での重要なポイントなうえ、近年注目される安全装備も充実したことで販売台数が伸びているといえます」と説明しています。
お前最低やぞ…