見なくなった「O/D」ボタン 代わりに増えたシフトレバーの「S」「B」レンジなぜ存在?
シームレスな変速が魅力のCVTですが、シフトレバーを見ると「S」や「B」などのポジションが設定されていることがわかります。CVTには段数がないはずですが、このシフト位置の意味とはなんでしょうか。
無段階のはずなのに存在する「S」や「B」
近年、国産車を中心にさまざまなクルマに搭載されている変速機が、各段がなくシームレスに変速をおこなうCVTです。しかし、シームレスであることからシフトレバーもシンプルかというとそうではなく、「S」や「B」などそれぞれのシフト位置があります。
いったい、これらのシフト位置は何の意味を持って設定されているのでしょうか。
CVTは「Continuously Variable Transmission」の頭文字を取った略称で、無段変速機を意味します。CVTの利点としては、従来のAT(オートマチックトランスミッション)とくらべ、省燃費性能に優れるとされているほか、変速ショックの少なさも魅力です。
CVTについているシフトポジションの「S」や「B」には、どのような意味があるのでしょうか。
CVTのクルマを数多くラインナップするダイハツは、「CVTでも、一応仮想で1速、2速といった指定があり、それがシフトレンジの『D』、スポーツの『S』、ブレーキの『B』という3段階から選べるようになっています。『ここからここまでの範囲で』という考え方です」と説明します。
つまり、無段であるにもかかわらず、意図的に範囲を指定することで、『ギアチェンジ』ができるようになっているのです。意味合いとしては、AT車でいうセカンドやローに近いものだといえます。
一方、かつてのAT車のシフトポジションでよく見た「O/D」ボタンは減少しています。
これは意味合いとしてはCVTの「S」や「B」に近く、低いギアを使って走るモードのことを指します。しかしCVTと異なり、AT車の場合は明確な段数があるものの、CVT車では低めの変速比を範囲指定して使う設定です。
段数がなく無段階ということで、CVTとATの間には違いがあるといえます。なお、AT車においても「S」レンジなどがある場合もあるほか、パドルシフトなどを操作する「マニュアルモード」で同様の操作ができる車種もあります。
ペーパーロックではなくベーパーロックですよ
ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。