見なくなった「O/D」ボタン 代わりに増えたシフトレバーの「S」「B」レンジなぜ存在?
「S」や「B」レンジが活躍する場面とは?
前述のCVTの「S」レンジや「B」レンジの目的のひとつは、エンジンブレーキを強く効かせることです。
長い下り坂でフットブレーキを多用しすぎると、ブレーキの効きが悪くなる「フェード現象」や「ベーパーロック現象」が起きるため、非常に危険です。
そういった場面では、ブレーキの効きの悪化を抑えながら安全に坂を下るために、前述のギアを選択するのが適切です。
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日本国内で販売される新車のうち、AT車はMT車のシェアを徐々に奪っていきました。1990年代ごろにはAT車がMT車の比率を上回り、現在では新車の98%以上がAT車となっています。1991年に登場した普通免許の「AT限定免許」も、MT車の減少に拍車をかけました。
そうしたなか、シフトチェンジによるエンジンブレーキの概念を知らずに、運転を続けている人が一定数存在することは想像に難くありません。山道や高速道路の下り坂では、ブレーキランプがつきっぱなしで運転しているクルマも見かけられます。
MT車の運転をおこなわないとしても、AT車でもエンジンブレーキを適宜利用して運転をすることが重要だといえます。
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ペーパーロックではなくベーパーロックですよ
ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。