トヨタとホンダの明暗分かれる? 好調RAV4と不調CR-Vの違いとは
海外で人気を得たのとは対照的に、日本では一時期販売が終了していたトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」。両車は、ともに日本市場に復活して久しいですが、直近の国内販売台数では明暗を分けている状態です。両車の違いはどこなのでしょうか。
日本市場に復活したトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」
1990年代半ばに日本では、「RVブーム」というものが存在し、爆発的な人気を博したのがトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」です。その後、日本で誕生した両車は、北米などでも人気モデルとなりました。
しかし、現在では、北米ユーザー向けに開発されたモデルとして、日本に逆導入される現象が起きているほか、RAV4とCR-Vの販売台数においては、明暗が分かれているようです。トヨタとホンダにはどのような違いがあるのでしょうか。
両車は、販売不振などを理由に日本市場から一時期的に姿を消しました。しかし、北米市場では高い人気を博していたこともあり、5世代モデルではともに日本市場へ復活をはたします。
RAV4とCR-Vは、北米市場での人気が高いことから北米ユーザーに好まれるデザインなどが採用されているため、日本に導入されている両車には随所にその様子が表れています。
自動車産業ポータルサイトを運営するマークライズ株式会社によると、米国の2018年1月から12月における新車販売台数では、トヨタのシェア率は全体3位の14%、ホンダのシェア率が全体5位の9.3%と上位に位置しています。
また、北米市場でのRAV4は、2018年の新車販売台数では全体4位の42万7168台を売り上げ、トヨタ車のなかでは1番の売れ筋モデルです。
日本市場では、2016年に国内での販売は終了していますが、復活を果たした2019年4月以降の販売台数(軽自動車除く)では、5月に6817台を記録したことにより、それまでSUVジャンルの売れ筋モデルだったトヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」を抜いて一気に首位となっています。
その後も、7822台(6月)、8646台(7月)、6277台(8月)とほかの売れ筋SUVを抑えて首位を維持するなど、好調な販売台数です。
RAV4が好調な理由について、トヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「RAV4が登場するまでは、『ハリアー』がミドルサイズSUVとしてお客さまに提案できる車種でした。しかし、アウトドア人気などが高まっている最近においては、アクティブなデザインの『RAV4』が加わったことで、ラグジュアリーな『ハリアー』とは異なるお客さまにアプローチできることが良い部分です。
さらに、コンパクトな『C-HR』と本格派の『ランドクルーザーシリーズ』があるため、豊富なSUVラインナップから選ぶときに、ちょうど良いデザインとサイズ感なのも好評な理由かもしれません」
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対するホンダでは、2018年8月に約2年ぶりに復活したCR-Vと2018年12月に約4年ぶりに復活した「インサイト」が例に挙げられます。
CR-Vの2018年1月から12月の米国新車販売台数は、全体6位の37万9013台を記録するなど北米市場で、人気のモデルです。
しかし、日本市場では苦戦を強いられています。2018年8月の登場時は1344台、その後は月販1000台から1500台を推移しています。この台数は、モデル末期ともいわれるランドクルーザーを下回る数値となります。
北米での人気を受けて日本市場に再導入されたCR-Vについて、ホンダの販売店スタッフは次のように話します。
「CR-Vは、アメリカで販売されるホンダ車特有のデザインのために、好みが分かれる部分がありますが、比較的にウケは良いと思います。ただ、販売面で苦戦する理由としては、価格設定が大きいかもしれません。
他社のミドルサイズSUVは、ガソリン車であれば250万円前半で設定されていますが、CR-Vは一番下のEXグレードで320万円からとなり、選択肢に入らないお客さまもいると思います」
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