車内で爆音&イヤホン運転はNG? 明確な基準なくも違反になる理由
クルマで音楽を聞く場合は、音量に注意が必要です。また、イヤホンを使用しながらの運転も違反行為になる可能性もあります。違反となる基準はどこになるのでしょうか。
明確な基準はなく、警察の判断に委ねられる
クルマのなかで音楽を大音量で聴いている人や、運転中にイヤホンを使用している人を見かけることがあります。
しかし、これらの大音量の音楽やイヤホンを装着して運転する行為は、違反対象となる可能性があるといいます。クルマの車内で音楽を聞く場合、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。
これらの行為は、各都道府県の条例「道路交通法施行細則」というものに、当てはまる可能性があります。
道路交通法施行細則については、2011年に神奈川県が全国に先駆けて改正しており、神奈川県道路交通法施行細則第11条の(2)第5号の以下のとおり規定されています。
「大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと」
これは、クラクションや緊急車両のサイレン、警察官の指示などが聞こえないという状況を指します。常識の範囲内であれば違反となることは少ないとされていますが、明確なラインがないため、警察の判断によっては注意されるようです。
車内の大音量は音楽だけではなくラジオなども含まれるため、音楽を聴いていないからセーフともいい切れません。また、ハンズフリーで会話をしている場合も、音量が大きければ安全な運転ができないと判断され、違反とされる可能性があるようです。
違反した場合は、道路交通法第71条第6号などの法令が適用され、5万円以下の罰金、反則金は大型車(中型車を含む)7000円、普通車と二輪車が6000円、原付車は5000円となり、違反点数はありません。
同様に、道路交通法第70条の「安全運転義務違反」にも当てはまる可能性があります。
道路交通法第70条では、「運転に際しては、道路状況・交通状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度や方法で運転しなければならない」と定められています。
道路交通法施行細則と同じく、クラクションやサイレンをはじめとした周囲の音が聞き取れないほどの大音量ステレオや両耳をイヤホンでふさぐ行為は、違反対象となる可能性が高いです。
なお、イヤホンの使用に関しては音量の大小関係なく両耳が密閉されている状態は禁止されていますが、片耳のみの使用や両耳が密閉されない形状のイヤホンであれば問題はないとされています。
違反と見なされた場合、違反点数2点のほか、反則金は大型車1万2000円、普通車9000円、二輪車7000円、原付6000円となり、反則金を支払わなければ3か月以下の懲役か5万円以下の罰金が科せられます。
都内の地域警察官は、大音量の音楽やイヤホンの使用について、次のように話します。
「信号待ちなどで、車外に音が漏れていたりする場合、声をかけることがあります。イヤホンについては、両耳を塞いで運転に支障をきたすとみなした場合は違反となる可能性があります。
また、コード付きのイヤホンを運転中に使用する場合、コードがハンドルやシフト操作の妨げになることも考えられますので、気をつけて頂ければと思います」
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