トヨタ「ランクル」でクロカンブーム再燃? 80年代のカスタムがいま流行る理由とは
トヨタが世界に誇る「ランドクルーザー」シリーズ。日本では、200系モデルが2007年に、プラドは2009年に登場しています。そのため、モデル末期といわれてはいますが、ランクルのカスタム業界ではいま変化が起こっているといいます。どのような変化が起きているのでしょうか。
トヨタ「ランクルシリーズ」のカスタム傾向とは
モデル末期ながら人気に衰えが見えないトヨタ「ランドクルーザー(200系)」と「ランドクルーザープラド(以下、プラド)」。
とくに、日本の道路事情にもマッチしたプラドは、2017年9月のマイナーチェンジにより、さらなる人気の高まりを見せています。
そんなランドクルーザーシリーズのカスタム業界に、最近変化が現れています。どんな変化が起きているのでしょうか。
200系もプラドも、デビュー当初はエアロパーツの基本セット、フロントバンパー、サイドスカート、リアバンパーを装着することが多かったのですが、昨今は減少傾向にあるといいます。
群馬県内のトヨタ系ディーラーで、ランドクルーザーシリーズのモディファイを積極的に手がけている「RVパーク」の重田浩店長は次のように語ってくれました。
「かつてはモデリスタをはじめとする、純正パーツ系のエアロキットを装着するユーザーも多かったのですが、最近は減少傾向にあります。
昨今は逆に、ちょっとオフロードの香りがするタイヤ&ホイールを履かせたり、サスペンションでリフトアップをするユーザーが増えています」
オフロードテイストのカスタムは、1980年代のクロカン四駆ブームの時に流行したベーシックなカスタム法です。
SUV系のアフターパーツを製造しているメーカーの広報担当者も、次のように話します。
「プラド用では、エアロパーツの販売は下がり気味で、逆に圧倒的に販売が伸びているのがリフトアップサスペンションです。
かつては、こうしたパーツは中古車をグレードアップするために装着するという人が多かったのですが、現在は新車を購入してすぐ付けるというケースがほとんどのようです。
これにオールテレーン系やマッド系のタイヤと、ガッシリとしたデザインのホイールを装着する人が多いです」
また、このようなカスタムが増えてきた傾向について、クロカン4WD系のカスタムをおこなっている専門ショップ「マスターピース」の奥原正之店長は、次のように話します。
「プラドはクリーンディーゼルエンジンが搭載されてから、サスペンションのフィーリングが極端にソフトになってしまいました。まるでダンパーが抜けているのかと思うくらいです。
そのため、通勤に使ったり、子どもを乗せる人などからは『酔うから何とかしてくれ』といわれることも少なくないんです」
ノーマルの乗り味では満足できない人がサスペンション交換をおこない、結果的にリフトアップとタイヤ&ホイールも併せておこなうというパターンが多い傾向にあるといいます。
プラドは、ランクルではないと思います