トヨタ「ランクル」でクロカンブーム再燃? 80年代のカスタムがいま流行る理由とは
なぜ、200系をカスタムする人は少ないのか?
なぜ200系のカスタムをする人は少ないのでしょうか。ランドクルーザーシリーズをカスタムする別のショップ関係者は、次のように説明します。
「200系はメーカーが車高調整付きのサスペンションを付けているから、足回りのカスタムをしたくてもできないほか、純正で十分だと思っている人が多いです。
プラドと違って、クロカン4WDだと思って乗っている人が少ないため、タイヤ&ホイールもSUV系、いわゆるオンロード系のデザインとサイズを好んでいるのだと思います。
ただ、中古車で考えると、状況はガラリと変わります。200系の中古車では、やはりエアロパーツを装着した車両が人気です。
逆にプラドは、新車とは異なり、高年式のものほどノーマル状態が好まれます。リフトアップした車両が多く出るのは、低年式車か先代の120系です」。
しかし、確実にオフロード系の匂いがするカスタムは、今後高まっていく気配が見えるといいます。
「ここ数年で新型のスズキ『ジムニー』やジープ『ラングラー』の登場に触発されて、プラドもラギッドな雰囲気にしたいというユーザーが増えていると思います。
トヨタ『FJクルーザー』のオーナーにはそういう人が多かったのですが、プラド用パーツが動き始めたのは、ここ2年くらいです。
クルマのデザインが洗練されているので、1980年代のように何でも付けてしまえばいいという方向性にはならないと思いますが、最近はルーフラックやリアラダーといったクロカン4WD定番の商品も動いています。世の中的にも、ちょっとタフな感じの商品が人気ですから、その影響は確実にあると思います」
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SUVのアウトドア系のイベントでも、リフトアップしたランドクルーザーをよく見かけるようになりました。一時期はマニアを除いては目もくれられなかったリフトアップ車ですが、復権していることは間違いなさそうです。
今後、前後バンパーなどの外観パーツにおいても、ヘビーデューティなデザインが流行する可能性大です。
2019年6月のランドクルーザーシリーズの国内販売台数は、1万5960台。フルモデルチェンジも近いといわれながら、この数値が衰えぬ人気を裏付けています。アフターパーツマーケットにおいても、まだまだムーブメントを起こしてくれそうです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
プラドは、ランクルではないと思います