クルマの排気量ってなに? なぜ排気量の大小がエンジンパワーに影響するのか
クルマのスペックを決めるもののひとつに、エンジンの排気量がありますが、排気量の大小は、なぜエンジン出力を左右するのでしょうか。
クルマの排気量はエンジンのなにを指しているのか
軽自動車なら660cc以下、コンパクトカーなら1.3リッターから1.5リッター程度、高級車だと3リッター程度か、もしくはそれ以上、というように車格が上がるにつれて大きくなるイメージのある排気量。
この排気量が果たしてなにを指しているのかについては意外と難しく、知らない人も多いと思います。クルマのエンジンの排気量の大小で、なぜエンジンの出力は変わるのでしょうか。
一般的に、小排気量エンジンは『小さい』エンジン、大排気量エンジンは『大きな』エンジンというイメージがあると思いますが、排気量がエンジン本体の大きさを指しているというのは、半分正解で半分間違いです。
また『排気』という名前が付いていますが、マフラーから排出される排出ガスの量でもありません。
じつは排気量とは、エンジンの燃焼行程に関わる容積の大きさを示す数値、つまりピストンがいったり来たりを繰り返す、筒状の部分のサイズを表しているのです(ロータリーエンジンを除く)。
自動車のカタログに表記されているスペック表のなかで、「内径×行程」と書かれている部分がそのサイズであり、4気筒エンジンであれば筒の数の分だけ4倍、6気筒エンジンであればその6倍の数値が排気量となるわけです。
日産の「HR12DE型」エンジンを例に挙げると、内径が78mm、行程が83.6mmとなっているため、1気筒当たりの容量はおよそ399.268584ccとなります。
それが3気筒あるので、総排気量はおよそ1197.8ccとなり、カタログ上では小数点以下を四捨五入して1198ccと表記されるのです。
もちろん、エンジンの内径や工程が大きくなれば、必然的にエンジン本体のサイズも大きくなるわけで、排気量=エンジン本体の大きさという考え方も、完全に間違いとはいい切れないということなのです。
クルマのエンジンは、大排気量の方が出力が大きい傾向にありますが、これは単純に排気量が大きなエンジンの方が燃焼させる燃料を多く取り込むことができるため、1回の燃焼で生み出せる力が大きくなるからです。
つまり、火力が大きいからエンジン内部の爆発の行程で、より大きな力を生み出すことができるという理屈となっています。
取り込む燃料が多い分だけ、当然消費する燃料も多くなりますが、大排気量エンジンはパワーの小さい小排気量エンジンに比べて、低回転でも十分な出力を得ることができるため、排気量が3倍大きいエンジンが3倍燃料を多く消費するというわけでもありません。
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