GT-R顔で「スカイライン」復権? デザイン変更したセレナは大丈夫か
定番デートカー人気なぜ急落? マイチェン「セレナ」は大丈夫か
●日産「シルビア」
バブル期に若者や走り屋を中心に爆発的な人気を誇った日産「シルビア」も、モデルチェンジにより人気を低迷させたクルマのひとつです。
1988年というバブル景気で潤う日本にて販売が開始された5代目シルビア(S13型)は、若者を中心に人気を誇りました。
「若い男女のカーライフをお洒落に演出する、センス良く、走りが楽しい2ドアスタイリッシュクーペ」がコンセプトのスペシャリティカーとして愛され、同時に走りの性能やカスタマイズのしやすさから当時の走り屋にも人気が高いクルマです。
また、デザイン面における評価も高く、流麗でスタイリッシュなデザインは1988年のグッドデザイン賞を受賞しています。
その人気を誇ったS13型の名実を受け継ぐ形で1993年に登場したモデルが、6代目シルビア(S14型)でした。しかしながらその評価はS13型から一転することになります。
プラットフォームこそ先代のものを使用しているものの、5ナンバーから3ナンバー車へとなったことで車体は大型化し、さらにフェイスデザインも丸みを帯びた柔らかなデザインへと変更され、販売台数が低迷する要因となりました。
その結果を受け、1998年に後期型へとモデルチェンジをおこない、不評であった「たれ目」のデザインからスタイリッシュな「吊り目」を採用したフロントデザインへ変更することで人気の回復も図るも、一度ついたイメージは払拭できず、売上げの回復には繋がりませんでした。
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日産車以外でも、人気モデルから一転して販売が低迷するモデルはいくつも存在します。有名なところでは、トヨタの「プリウス」です。
プリウスは、誕生から22年を迎え、累計販売台数400万台を超える人気モデルですが、一時販売が低迷した時期がありました。
歴代モデルのなかで、もっともユーザーからの人気を誇ったモデルが3代目プリウスです。2009年から2016年までの総販売台数は227万台の大ヒットを記録。シンプルで親しみやすいデザインと、エコカー減税や補助金といった背景をもとに販売台数を伸ばします。
しかし、4代目プリウスでは商業面で苦戦を強いられます。3代目のようなシンプルなデザインから一転した斬新かつ個性的なフェイスデザインは従来のプリウスユーザーから受け入れられませんでした。
そのため、販売開始から3年後の2018年12月にトヨタはマイナーチェンジをおこない、賛否両論を呼んだデザインをよりシンプルなものへと変更することで、2019年上半期(1月から6月)の販売台数(軽・輸入車除く)では、1位に輝いています。
そうしたなか、売れ筋ミニバンの日産「セレナ」が、2019年8月1日にマイナーチェンジをおこないました。セレナは、強豪が多いミニバン市場で人気のモデルです。
とくに、電動パワートレイン「e-POWER」を追加した後では、販売台数を大幅に伸ばしています。今回のマイナーチェンジでは、「ダブルVモーショングリル」を始め、迫力のあるデザインへ一新したました。
前述のように、デザインの変更から人気低迷に繋がるかどうかは今後の販売台数でわかりますが、売れているモデルのデザイン変更は、自動車メーカーの賭けともいえそうです。
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