クルマで野生動物を轢いてしまったら交通事故になる?警察に聞いてみた

一般道を走行していると、クルマに轢かれた動物の死骸に遭遇することがあります。その死骸が長い間、道路の真ん中に残ったままになっていることも。野生動物を轢いてしまうアクシデントは、交通事故に該当するのでしょうか。

動物を轢いてしまったら、警察への届け出は必要?

 クルマで一般道を走っていると、ときどき見かける野生動物の死骸。

 真っ暗な山道で突然飛び出してきて避けきれなかったなど、いろいろと事情はあると思いますが、クルマに轢かれたそのままの状態で放置されているのを見ると、とても嫌な気持ちになってしまいます。

 そんな、クルマと動物との接触は、交通事故に該当するのでしょうか。

道路を行き来する野生動物のイメージ
道路を行き来する野生動物のイメージ

 交通に関すること全般の相談を受け付けている、神奈川県警察 交通相談センターに聞いてみました。

「クルマで動物を轢いてしまったら、それは交通事故に該当します。

 交通事故は道路交通法第67条2項で『車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊』と定義されていて、動物を轢いてしまった場合は物の損壊に該当します。

 そのため、一般的な交通事故と同様に警察への連絡は必要なのですが、野生動物の場合は訴えたりする被害者もいないので、そのままになっていることが多いのが現状です。この点に関しては、モラルの問題になりますね。

 それはペットでも同様ですが、ペットを轢いてそのまま放置した場合、飼い主が被害届を出すと当て逃げとして刑事責任が問われます。」

※ ※ ※

 当て逃げは、『危険防止等処義務違反』に該当し、違反点数5点と1年の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。

 運転中に動物を轢いてしまったら、飼い主がいてもいなくても、それは交通事故なのでまずは警察に電話をしてください。

 そして、その動物が何度もクルマに轢かれてしまうことがないように、国土交通省の道路緊急ダイヤル(#9910)に電話して、処理をしてもらうようにしましょう。

 道路上に動物の死骸を放置することは無残なだけでなく、その後を通るドライバーの注意をひいてしまうため、二次事故を誘発する可能性を秘めた大変危険な行為です。

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