車に「水抜き剤」は必要? 給油時の定番セリフ「水抜き剤入れますか」は不要だった

セルフGS増加で、耳にする機会の減った「水抜き剤」

 必ずしも必要ではない水抜き剤ですが、最近はガソリンスタンドでも勧められる機会が減っているようです。そもそも、なぜ水抜き剤は勧められていたのでしょうか。

給油時に外の空気がタンク内に入り込むことで水分が発生する
給油時に外の空気がタンク内に入り込むことで水分が発生する

 ガソリンスタンドで働いていた元スタッフは次のように話します。

「当時は、給油されるお客様に必ず『水抜き剤』を勧めていました。これは、サービスの一環というよりは、その販売店の売上を上げるのが主な目的でした。ガソリンスタンドは、給油だけでは利益が少ないといわれています。そのため、車検やタイヤ・オイル交換、消耗品の販売促進が必要でした。

 また、昔は燃料タンクの錆トラブルがあったことから、給油時に水抜き剤を進める宣伝が定番化したのだと思われます。しかし、タンクの性能向上やお客様の『水抜き剤は重要ではない』という印象が広まったことで、給油時に勧めることは少なくなりました」

※ ※ ※

 最近水抜き剤を勧められなくなった要因としては、フルサービスのガソリンスタンドの数が年々減少し、セルフサービスのガソリンスタンドが増えていることが挙げられます。

 日本エネルギー経済研究所石油情報センターが発表する石油情報センター調査報告書内の「セルフSS出店状況」によると、2019年3月末時点では全ガソリンスタンド3万70店のうち、セルフスタンドは1万100店と約3割を占めています。

 これは、1998年の消防法改正による規制緩和でセルフサービスのガソリンスタンドが登場して以来、毎年その割合は増加。そのため、ガソリンスタンドのスタッフと接することが少なくなったことで、最近では水抜き剤を勧められる機会が以前に比べると減っているといえるのです。

 オートバックスセブンの担当者も述べているように、ガソリンタンクの性能が向上したことで水抜き剤は必ずしも必要なものではなくなっています。

 具体的には、最近のクルマのガソリンタンクは従来の「金属製」から、錆びにくいとされる「樹脂製」へ変わっているほか、タンクの密閉性が向上していることで外気が入りにくくなり、結露そのものも発生しにくくなっているとされています。

 昔ほど神経質になる必要はなさそうですが、それでも気になってしまう気持ちもあります。まずは自分のクルマのガソリンタンクの素材は何製なのかを調べ、それによって水抜き剤を使用するべきかを検討するのが良いでしょう。

水抜き剤はこのタイミングで入れるべし!(画像7枚)

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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