ジムニー誕生50年の節目に5ドアやピックアップ登場か 爆売れ継続中でお祝いムードに暗雲も
2018年に20年ぶりのフルモデルチェンジとなった、スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」。2020年は初代ジムニーが登場してから50周年、そしてスズキが創業してから100周年と節目の年です。しかし、お祝いの特別仕様車の発売に暗雲が垂れ込めているようです。なぜなのでしょうか。
爆売継続中のジムニー、誕生50周年記念車は出るのか?
2018年7月の登場以来、スズキ「ジムニー」の勢いが止まりません。2018年の累計販売台数は6498台だったのに対して、2019年1月から6月までの累計販売台数は1万6589台(全軽自協調べ)。
スズキは生産ラインを増強して、溜まりに溜まったバックオーダーを解消すべく努力を続けていますが、納車時期は一向に短くなる気配はありません。
都内にあるスズキ直営の販売店に確認したところ、2019年8月5日現在でジムニーは1年待ちとなり、小型車の「ジムニーシエラ」に至っては1年半待ちとのことでした。
ただし、地域やグレード、色などによって納車時期が異なることもあり、神奈川の某ディーラーではジムニーシエラは10か月待ちという案内をされましたが、販売店によっては新古車をストックしている店舗もあるようで、タイミングが合えば即納というレアなケースもあるようです。
ちなみに、2020年は初代ジムニー(LJ10型)が登場してから50年が経つほか、スズキの創業100周年という記念すべき節目となります。
先代の3代目ジムニー(JB23/43型)は、30周年に「ワイルドウインド」、40周年には「クロスアドベンチャー」を発売して好評を博しました。さらには毎年のように出す特別仕様車は、常に売れ筋のモデルとなっています。
そんなジムニーが50周年になる、2020年には記念車が出ることが予想されますが、いくつかのスズキ販売店に聞いてみると、どこも答えは「NO」でした。前出の直営店系販売店の営業担当者は次のように語ります。
「本来なら大きな節目ですから、我々としても特別記念車を提供したいという気持ちでいっぱいです。ユーザーからも、そういったお問い合わせをいただいております。しかし、カタログモデルすら1年も待っていただいている状況で、新しいモデルを追加するなど無理な話です。ユーザーとメーカの板挟みになっており、我々としても辛い状況です」
スズキは近年、「ハスラー」、「ジムニー」とヒット作を連発しています。しかもどの車種も、その売れ行きの判断を見誤ったといい、ある業界関係者は次のように話します。
「ハスラーもジムニーも発売前の取締役会議では、『こんなクルマが売れるのか?』と懐疑的な重役が多かったといいます。しかし、いずれも鈴木修会長の一声で発売に漕ぎ着けたということです。そのため、初期の販売見込みが低く設定されており、生産ラインが大ヒットに対応できなかったという事情があったようです」
しかし、いくら生産が追いついてない状況とはいえ、50周年という大きな年に、スズキが何も動かないというのも考えにくいところです。
各モデル海外仕様は最初から5ドアとピックはある。
日本で出さないだけ。