「人」を第一に考える ボルボならではのコンテスト「CS-VESC」とはどんなもの?

スウェーデンの自動車メーカーであるボルボが、顧客満足度の向上を目的とした「CS-VESC」というコンテストを隔年で開催しています。CS-VESCとはどんなコンテストなのでしょうか?

顧客満足度向上をねらった、ボルボならではのコンテストが開催

 北欧スウェーデンに本社を置き、安全性を重視した開発をおこなう自動車メーカーとして知られているボルボ。

 2016年から商品を刷新し続けており、新プラットフォームを用いた「新世代ボルボ」のラインナップは世界中で評価が高く、日本でも「日本・カー・オブ・ザ・イヤー」を2年連続で受賞するなど、その成長ぶりには目覚ましいものがあります。

CS-VESC2019 上位入賞者の記念撮影
CS-VESC2019 上位入賞者の記念撮影

 そんなボルボが、商品だけでなくカスタマーサティスファクション(CS)の向上を目的として2015年から開催している「CS-VESC(Customer Satisfaction-Volvo Excellent Salespersons Contest) 」というコンテストがあります。

 その第3回目コンテストの決勝戦が2019年7月24日におこなわれ、全国720名のボルボセールススタッフのなかから見事勝ち抜いた、総勢27名が参加しました。

 CS-VESCの決勝大会は、個人戦6名、チーム戦7組でおこなわれ、接客のスキルをロールプレイング形式で競うというものです。

 審査員はボルボ社内スタッフのほか、人材育成や企業研修の専門家ら5名で構成されます。審査のポイントは、「一流のマナーが備わっているか」、「車両の知識があるか」、「ブランドに対する知識があるか」、そしてなにより「お客さま目線に立った接客ができているか」です。

 ロールプレイングの細かい内容は、選手には事前に通知されません。そんななか、ボルボオフィシャルサイトに掲載されているキャンペーンの質問や、PHEV車の特性についてお客さま役から質問されたときに、適切な受け答えができるかなどが審査されます。

 また、あえて展示車両のシートが倒れていたり、運転席シートの位置がおかしかったり、ちょっと「意地悪」な仕掛けがしてあったりと、一筋縄ではいきません。

 さらに、「傘を忘れた」という電話がかかってきたり、荷物をずっと持ちつづける女性客がいたり、マナーや知識だけではなく「気遣い」や「おもてなし」の精神までもが審査されました。

 決勝大会の開会を宣言したボルボ・カー・ジャパン代表取締役の木村氏は、CS-VESCを開催する目的を以下のように話しました。

「CS-VESCは接客技術を競うコンテストではなく、カスタマーサティスファクション(顧客満足)を従業員全員によって向上させるコンテストです。

 ボルボは準プレミアムブランドとして日本で認識されていますが、これからはプレミアムブランドにならなければ生き残っていけないと考えています。

 いまは新規のお客さまをディーラーがに呼ぶのはむずかしい時代であり、ボルボのさらなる発展にはオーナー様にボルボ車を乗り替え続けてもらうことが最も大切です。

 一人一人のお客様のニーズや興味はどこにあるのか。どこまでいろんな提案ができてどこまで接遇ができるか。CS-VESCは、それらのサービスをいまよりも向上させ、ブランドとしてさらに強くなっていくためのコンテストなのです」

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