夏はタイヤバーストに注意? 2014年製タイヤの破裂が増加している理由とは
バーストの防止策とは? カー用品店やタイヤメーカーに聞いてみた
2014年製のタイヤ、もしくは2014年からタイヤを換えてない場合にバーストが多い理由はなんでしょうか。カー用品店チェーンを運営する株式会社オートバックスセブンのIR広報部の担当者は、次のように話します。

「タイヤの寿命から考えても、2019年は2014年製タイヤのバーストが多くなるでしょう。とくに、近年は猛暑と大雨、大雪など異常気象が続いており、タイヤにとっても過酷な環境です。2019年のGWに多発したのは、2018年夏の記録的猛暑も影響していると思われます。
また、普段あまりクルマに乗る機会が少なかったりメンテナンスをしない方が、春になってGWに遠出をすると、タイヤに蓄積されたダメージが形になって表れることがあります。その結果、タイヤがバーストするケースが増えているといえるでしょう。
タイヤのひび割れなどで劣化していることに気づかないと、バーストの危険性は大きくなります。車検では、タイヤにひび割れがあっても残り溝(1.65mm)があればパスします。タイヤがえぐれているような大きな損傷がない限り、車検では問題となりません」
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Mさんのクルマも数ヶ月前に車検をパスしています。しかし、Mさんによると「車検を受けたときに、整備工場から『タイヤが劣化しているから交換したほうがいい』とはいわれていました。そのアドバイスを受け、近々タイヤを換えようとは思っていたんですが、ついつい忙しくて……」とそのままにしていたそうです。
バースト増加の原因や対策方法について、タイヤメーカーにも聞いてみました。ブリヂストンの広報担当者は次のように説明します。
「一般的に乗用車のタイヤは3年から5年、平均4年程度で交換されることが多いようです。タイヤ業界では、使用開始から5年経過したタイヤは販売店での点検を推奨していますので、例えば2020年に2015年製のタイヤを引き続き使用される場合には、一度点検されることをおすすめします。
タイヤ寿命は保管状況によって大きく変わるところもあります。使っていない時期にどういう環境で保管をしてきたのかが重要となるほか、月1回のタイヤの空気圧チェックも大切です。
そして、空気圧のチェックは必ず、タイヤが冷えているときにおこなうようにしてください。長時間・長距離を走行した後ではなく、出かける前がベストといえます。なぜなら、出かける前が空気圧がもっとも低い状態だからです」
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まもなく本格的な夏がやってきます。お盆時期などに長距離ドライブを予定されている方はとくに、タイヤの溝はもちろん、亀裂や空気圧もしっかり見ておきましょう。
2000年以降、セルフ式のガソリンスタンドが増えて空気圧チェックの頻度が減っている方も多いと思いますが、セルフ式スタンドでも空気圧チェックは可能です(夜間は非対応の場合もあります)。
タイヤチェックを怠ることが、命にかかわる事故につながることもあります。4年から5年ほどタイヤを換えていないという方は、とくに入念なチェックをお勧めします。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。












