雨天時の事故は晴天時の4倍! 運転するときに気を付けたいポイントとは
雨天のなかで運転していて、ヒヤッとした経験がある方は多いのではないでしょうか。雨天時の運転は難しいといいますが、注意すべき運転ポイントは、どのような点なのでしょうか。
雨天時の事故発生率は晴天時の4倍近くに跳ね上がる
雨の日に出かけるとき、濡れたくないからクルマで移動するという人も多いと思います。雨天時の事故発生率は、晴れているときの4倍近くにも跳ね上がるといいますが、どのようなことに注意して運転したらよいのでしょうか。
首都高速道路のデータによると、同高速道路内における雨天時の事故発生件数は、過去5年間では2015年の2505件をピークに2018年は1539件と減少傾向にあります。
しかし、雨天の時間は年間総時間の約5%程度であるにも関わらず、雨天時に発生した交通事故件数は、すべての交通事故件数の15.5%を占めています。
晴天時の事故発生件数を「1」とすると、雨天時は「3.61」となり、4倍近くも事故が増えている計算です。高速道路だけでなく、一般道も含めれば、この数字はさらに上がるといえるでしょう。
事故の傾向として、晴天時は「追突事故」が多いのに対し、雨天時は「施設接触事故」が増加します。雨天時の事故の3割を占める施設接触事故は、1時間当たりの発生件数を晴天時と比べると、約9倍にものぼります。
雨による視界不良でいつもより反応が遅れ、さらに濡れた路面でタイヤのグリップ力が低下し、クルマが「止まれない、曲がらない」状態となって、接触事故が増えるのです。
日本自動車連盟(JAF)東京支部の栗原氏は、雨天時での事故の傾向と対策を次のように説明しています。
――雨天時の走行で、気をつけたいポイントはどのような点ですか。
雨天時は路面が滑りやすく、乾いた路面よりも止まりにくくなります。とくに雨の降り始めは道路上のホコリや砂が水と混ざり、さらに滑りやすくなっています。
晴天時と同じ感覚でブレーキを踏むとスリップする恐れもあるので、雨天時は速度を控えめにして、車間距離をしっかり取ることをお勧めします
――もし運転中にゲリラ豪雨のような激しい雨に遭遇したら、どうすればよいですか。
近年多発しているゲリラ豪雨や台風では、急激な雨量の増加により道路が冠水する恐れがあります。とくに高架下やアンダーパスなど、周囲より低い場所は短時間でも水が溜まりやすくなっています。
見た目で水深を判断しにくい上に、排水溝やマンホールのふたが外れている可能性もありますので、安易に進入しないで、迂回するぐらいの気持ちを持っていただければ、未然にトラブルを回避できると思います。
――もしクルマが冠水してしまったら、どうすればよいですか。
冠水した道路を走行すると、エンジンの吸気口や排気管(マフラー)から水が侵入し、エンジンがストップしてしまうことがあります。
JAFでおこなった冠水路走行実験では、セダンタイプの車両は時速10kmであっても、水深60cmを走り切ることができませんでした。
浸水したクルマのエンジンをすぐにかけると、破損や電気系統が漏電する恐れもあります。万が一、愛車が浸水してしまったら、エンジンを始動する前にJAFや販売店などで点検するとよいでしょう。
――一般道では歩行者の存在も忘れてはいけないといいますが、それはなぜですか。
JAFでおこなった実験『水はねによる歩行者への影響』によると、時速20kmでも歩行者に水をかけてしまうリスクがあることが分かっています。
歩行者に水がかかった場合、道路交通法の違反行為に問われる可能性もありますので、歩行者がいる道路ではより慎重に走行していただければと思います。
また、ヘッドライトを点灯させて周囲にクルマの存在を早めにアピールすることも有効です。
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