640馬力に進化したベビーランボ「ウラカンEVO」はサーキットでも運転しやすいスーパーカーだった
ウラカンEVOはドライバーの意のままに動くスーパーカー
次に、場所を移動し、ウラカンEVOでパイロンスラローム、そして円旋回のカリキュラムをおこないます。
細かく置かれたパイロンコースでしたが、とにかくクイックに良く曲がるのには感心します。リズミカルに、そして丁寧にステアリングとアクセルを操作すれば、タイヤを鳴らしながら楽にクリアしていきます。
まるで地面に座っているような低いアイポイントなのでロール感はまったくありませんが、かといってガツッと踏ん張った硬い感じでもありません。
走行モードは「コルサ」を選択すると、よりソリッドなステアリングレスポンスになり、さらにリアの滑りの許容度が大きくなるので、「ストラーダ」や「スポーツ」モードよりもこうした場面には有効です。
全長4.5m、全幅1.9mもあるクルマの動きとは思えません。まるで「クルマを着た」ような、四隅まで自分の神経がいき渡るような感覚になります。もちろん大きく打てば大きく響きますが、小さく打ってもきちんと小さく応える、そんなスーパーカーなので、とても扱いやすいです。
次は円旋回です。アクセルペダルを踏み込み、ハンドルを右に切って時計回りに旋回していきます。
ふつうのクルマであれば、リアタイヤが滑り始めると同時にハンドルを逆に切り、カウンターステアを当ててクルマの体勢を整える必要がありますが、ウラカンEVOは違います。ハンドル操作は右に切ったまま、アンダーステアを出しながら後輪もドリフトしていきます。アクセルペダルを緩めれば旋回円が小さくなり、踏み込めば大きくなります。
運転している最中は違和感はまったくないのですが、そのドリフトシーンを外から見ていると、4輪が滑りながら円旋回をしているのに、前輪が円の内側を向いているという、じつに不思議な感じに見えます。
じつは、ウラカンEVOが進化したのはエンジンだけではなく、4輪に作用する「トルクベクタリングシステム」や、ハンドル操作に対し前輪だけでなく後輪も動く「4輪操舵」機能が新たに加わっています。また車両のさまざまな動きを統合制御する「LDVI」を、ランボルギーニのモデルとして初めて搭載しています。このLDVI、リアルタイムで得たさまざまな走行情報を分析して処理、ドライバーの次の動きを予想して、車両のダイナミクス制御をおこなうといいます。
おそらくこのLDVIの制御により、こうした挙動になったのでしょう。豪快に振り回すのも簡単なのに、繊細さも併せ持つ「ベビーランボ」がウラカンEVO。確かに一般道ではその実力を知ることはできません。クローズドのコースでしか味わえない、底知れないすごみを体感した一日でした。
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ウラカンEVOは、3223万735円(消費税込。以下同様)。オープンモデルのウラカンEVOスパイダーは3545万3810円となります。
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